憂鬱でなければ、仕事じゃない

11月 7日 | 投稿者:博士 | 書評

『憂鬱でなければ、仕事じゃない』 見城徹/著 藤田晋/著 (講談社) 角川書店の名物編集者として手腕を発揮した後、幻冬舎を立ち上げて出版界の一角を占めるまでに育て上げた見城氏と、サイバーエージェントを史上最年少で上場させた藤田氏の、二人の起業家による共著です。 見城氏の格言的な言葉について、二人の思いや実例を述べるスタイルで進みます。一つの言葉につき6ページ程度で構成されており、非常に読みやすい構成になっています。 第一章~第二章では、主に自分自身について、いかに厳しく律し、鍛えるかといった、仕事で成果を出すための心構えや取り組み姿勢について述べられています。 第三章~第四章は、他者に対する接し方について、具体的な行動を挙げながら書かれています。誠意とホスピタリティの溢れる、対人的な努力としてのサービスについて、また関心、信用、貸し借りなど、他者との関係性につい... 続きを読む

自由な市場経済で多くの人々はより良くなるか

8月 17日 | 投稿者:博士 | 書評

『競争と公平感 市場経済の本当のメリット』 大竹文雄/著 (中央公論新社) 「市場による自由競争によって効率性を高め、貧困問題はセーフティネットによる所得再分配で解決することが望ましい」。これはどんな経済学の教科書にも書かれていることであり、そしてほとんどの経済学者が豊かさと格差解消を達成できると考えている組み合わせである。 それが日本では通用しない。アメリカの調査機関ピュー研究所によるグローバル意識調査(2007年)において、「貧富の差が生じるとしても、自由な市場経済で多くの... 続きを読む

ドラッカー著『イノベーションと企業家精神』を読む

7月 14日 | 投稿者:旅人 | 書評, 経営学

『イノベーションと企業家精神』 P.F.ドラッカー著/上田惇生訳 (ダイヤモンド社) 本書は、1985年に出版されたドラッカーの名著の一つです。アメリカの分析を中心に、冒頭で起業家経済、起業家を定義し、その後イノベーションを生み出す7つの機会について事例と共に書かれています。 「ベンチャー」というとハイリスクハイリターン、ハイテクといったイメージが先行しますが、それは誤った認識であることがわかります。実際のデータをもとに明らかにされています。また、「起業家」について、ややもすると直... 続きを読む

ユニクロが生まれ、世界企業になった理由。-誇大妄想というほどの巨大な夢と圧倒的な読書量-

6月 30日 | 投稿者:記者 | 成長企業研究, 書評, 起業家

『柳井正の希望を持とう』 柳井正著(朝日選書、2011年) ユニクロについて、オーナーでありCEOでもある柳井正氏について、今さら説明はいらないだろう。しかし、この僅か200ページ余りの新書には、人口17万人の小さな地方都市で生まれた一商店が、なぜかくも世界中で愛され、今もあくなき拡大を続けているのか、その理由と秘密が、余すことなく語られている。 柳井氏は大企業を受け継いだ御曹司でも、エリートコースを突き進んできた人間でもない。縁故で入った会社を9ヶ月で辞めて宇部に出戻り、父親が経... 続きを読む

『真の指導者とは』-信長、ナポレオン、毛沢東、本田宗一郎をはじめとするリーダー達に学ぶ

6月 8日 | 投稿者:店長 | 書評

『真の指導者とは』 石原慎太郎/著 起業や経営を生業にする者として、常日頃リーダーシップについて考えさせられる機会は多い。3月11日の大震災の発生により、あるべき指導者像というものについて、より一層深く考えるようになった。そのような中で、4月10日に行われた東京都知事選で約261万票を得て圧勝し、4選を果たした石原慎太郎氏が提言する『真の指導者』論に関心をもち、手に取った。第一刷は2010年7月30日、第二刷が2011年4月20日。 政治信条の違い、歯に衣着せぬ著者の発言には賛否両論あ... 続きを読む

日垣隆全巻所収『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』を読む。

6月 6日 | 投稿者:記者 | 書評, 起業家, 電子書籍

『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』 日垣隆著(講談社、2011年4月) 『こう考えれば、うまくいく。』『少年リンチ殺人―ムカついたから、やっただけ《増補改訂版》』『勝間和代現象を読み解く』『電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。』の4冊を、続けて読む。視点や切り口が鋭く鮮やかであることに加え、どのテーマも、著者が深く、長く思考を重ね続けてきたものばかりであり、その年輪が、一つ一つの文章に特別な力を与えている(勝間和代~は比較的最近の現象を小冊子... 続きを読む

9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方

4月 30日 | 投稿者:博士 | 書評

『9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方』 福島文二郎/著 なぜディズニーランドはいつも笑顔にあふれ、ピカピカなのか?同じナレーションを毎回一生懸命行い、子供に対してもきちんと膝を折って話すのか? それは社員の誰もが手抜きをせず、主体的・積極的に、こだわりを持って仕事を行っているからである。そして驚くことに社員の9割がアルバイト、それも「特に問題がない限り全員採用」という方針で集められたアルバイトが、それを行っているのである。 なぜこんなことが可能なのだろ... 続きを読む

なぜこの店で買ってしまうのか -ショッピングの科学-

4月 24日 | 投稿者:店長 | ベストセラー, 書評

『なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学』 パコ・アンダーヒル/著 鈴木主税/訳 福井昌子/訳 米国エンバイロセル社の創業者でありCEOの筆者は、消費者がショッピング空間(小売店は勿論のこと、銀行、飲食店などあらゆるサービスを享受する場)において、買うあるいは買わないという意思決定をどのように行うのか、調査研究をしてきた第一人者である。 GAP、スターバックス、マクドナルド、シティバンク、ヒューレット・パッカード、ヤフー等、急進的なブランドを世界的なものに押し上げたり... 続きを読む

超訳 ニーチェの言葉 - 232のことばが示す前向きなメッセージ

4月 15日 | 投稿者:旅人 | ベストセラー, 書評

『超訳 ニーチェの言葉』 フリードリヒ・ニーチェ/著 白取春彦編訳 本書は、232の「言葉」とその引用元であるニーチェの文献を格言集のような体裁で紹介しています。「己」「喜」「友」「世」など、人間や感情に関する10の章に分けられていて、前向きなメッセージが中心です。 多文献の引用による編訳書のため、矛盾を感じるところがあったり、ニーチェの思想の体系的な理解(本質的な理解)にはならなかったりする点はあるのではないかと思います。しかし、物事の感じ取り方はおかれている状況などによって変わ... 続きを読む

ソーシャルアプリ入門

4月 8日 | 投稿者:編集者 | 書評

『ソーシャルアプリ入門』 クスール/著 dango/著 クレイ/著 マイクロアド/著 富川真也/著 新井隆祥/著 Facebook、mixi、モバゲー、MySpace、GREEといったプラットフォームを彩るソーシャルアプリとは何か? 普段何気なく利用されている方も多いと思う。 ソーシャルアプリとはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上で公開されているアプリケーションのことである。 ソーシャル機能があることによって、ユーザーの広がりが外部に開かれている点に特徴... 続きを読む

お金の流れが変わった! -4,000兆円のホームレスマネー-

3月 25日 | 投稿者:博士 | ベストセラー, 書評

『お金の流れが変わった! 新興国が動かす世界経済の新ルール』 大前研一 著 世界的に著名な経営コンサルタントの大前研一氏が、「ホームレスマネー」をキーワードに、近年の世界的な経済情勢について分析・解説を行い、日本の成長戦略についても提言している。 今日の世界的な経済現象には「ホームレスマネー(著者造語、一般的にはホットマネー)=投資先を探して世界をさまよっている不要不急のお金」が決定的な役割を果たしている。サブプライムローン問題とリーマンショック、中国をはじめとするアジア諸国の急成... 続きを読む

働く君に贈る25の言葉

3月 20日 | 投稿者:店長 | ベストセラー, 書評

『働く君に贈る25の言葉』 佐々木常夫/著 3月11日に発生した東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 今回ご紹介するのは、『働く君に贈る25の言葉』です。 本書の著者、佐々木常夫氏は、2001年、同期トップで東レの取締役に就任し、2003年から2010年まで東レ経営研究所社長として活躍されました。しかし、著者の私生活は順風満帆とは程遠いものでした。初めて課長に就任した年に奥さんが肝臓病を患い、自閉症の長男を含め3人の子供を育てていましたので、毎日1... 続きを読む

これからの正義の話をしよう -ハーバードで14,000人が履修した超人気講義-

3月 10日 | 投稿者:旅人 | 書評

『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』 マイケル・サンデル/著 鬼澤忍/訳 本書は、例え話や過去の出来事を巧みに用い、また様々な視点から「正義」を捉えています。「正義」という唯一無二の絶対基準があると思われがちな道徳的価値観について考察することで、人間やその生き方について考えが深まります。 合理性の高いビジネスの世界においても、重要な局面、判断において感情が与える影響は小さくありません。自分自身の感情さえ、その理由を分かっているようで分かっていないものです。... 続きを読む

ビジネス書新刊エクスプレス -店長注目の今週の5冊-

3月 9日 | 投稿者:店長 | 新刊エクスプレス, 書評

『東京を経営する』 渡邉美樹/著(サンマーク出版) 4月10日に投開票される東京都知事選に向け、世間の注目が集まっています。1984年に「つぼ八」FCオーナーとして起業し、ゼロから年商1100億円を超えるグループを築いた渡邉氏のこのタイミングでの出版は、非常に戦略的だと感じます。書店で平積みにされることによる広告効果は計り知れない。どのように東京に経営的な手法を導入しようとされているのか、一読しておきたいです。 『高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人』 勝間和代/... 続きを読む

起業のファイナンス -起業家が知るべきファイナンスとベンチャーの生態系

3月 3日 | 投稿者:編集者 | 書評

『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと』 磯崎哲也 著 公認会計士、カブドットコム証券社外取締役、ミクシィ社外監査役等を務める著者(磯崎哲也氏)が、起業にまつわるファイナンスについて、わかりやすい語り口でまとめている。 著者の見解では、足りないのは資金量ではなく、ベンチャーを起業してやってみようという人達やイケてるベンチャーであり、専門家のサポートも含めて、生態系を構築していくことが必要だと説く。 本書の構成として、ベンチャーや起業の現状、ベンチャーファイナンスの... 続きを読む

芸術家のための起業論、起業家のための芸術論-作品が16億円で落札されるまでに-

2月 25日 | 投稿者:記者 | 書評, 起業家

『芸術闘争論』 村上隆 著 2008年5月、ニューヨークのサザビーズで、村上隆氏による等身大フィギュア「マイ・ロンサム・カウボーイ」(1998年制作)が約16億円で落札された。本書の前著にあたる『芸術起業論』(幻冬舎、2006年)には、当時1億4,400万円で落札されたペインティング「NIRVANA」が、「日本人の一つの芸術作品としては史上最高額の価格」と書かれているので、その後の2年間で世界的評価がより一層劇的に高まったことが窺える。昨年は、賛否を呼んだベルサイユ宮殿での展覧会もあ... 続きを読む

どん底から7年連続増収。マクドナルドトップが語る復活劇

2月 18日 | 投稿者:博士 | 成長企業研究, 書評

『ハンバーガーの教訓―消費者の欲求を考える意味』 原田 泳幸 著 Mac(マック)からMc(マック)へ」-華麗な転身で話題を集めた著者が、マクドナルドでの話を中心に、企業経営やビジネスパーソンにとっての人生、働くということについて語った本である。 最大の注目はやはり、7年連続で既存店売上高が前年割れとどん底であったマクドナルドを、どうやって7年連続の増収、全店売上高で過去最高を記録する(2010年)までに劇的に復活させたのかという点であろう。 その方法はいたってシンプル、基本に立... 続きを読む

年間4,200万円を稼ぐプロブロガーを生み出すプラットフォーム

2月 16日 | 投稿者:店長 | 書評

『ソーシャルメディア革命 「ソーシャル」の波が「マス」を呑み込む日』 立入勝義著 本書によれば、アメリカをはじめ世界では年間数十万ドル(日本円で数千万円)を稼ぎ出すプロのブロガーが続々と誕生していると書かれています。日本でもホリエモンこと堀江氏などは、有料メルマガで年間1億円以上を売り上げていると言われますが、「知名度の高い人がコンテンツを有料化する」という流れが一般的です。一方、アメリカの場合は、認知度のない個人がブログを立ち上げ、プロとして商売が成立しているようです。 日本... 続きを読む

文盲の母、山の斜面ではいつくばるように暮らした幼少の記憶

2月 11日 | 投稿者:記者 | ベストセラー, 書評

『母-オモニ-』(集英社、2010年6月) 姜尚中/著 政治学、政治思想史専攻の姜尚中氏は、東京大学大学院教授である。在日では最初の東大教授ではないかという。 在日二世である著者の母(オモニ)は完全な文盲だった。母は、鄙びた田舎の小作人の倅で日本に出稼ぎに行っていた父と、出生地である桜の名所鎮海(チネ)で見合いし、大東亜戦争勃発の年、再び日本に戻った父を追い16歳で新婚生活を始めた。場所は巣鴨三丁目だったという。母は日本語の読み書きができなかったばかりでなく、旧弊や植民地支配の差別... 続きを読む

20代で人生の年収は9割決まる?

2月 9日 | 投稿者:博士 | 書評

『20代で人生の年収は9割決まる』 土井英司/著 「アマゾンのカリスマバイヤー」と呼ばれ数多くのベストセラーを輩出してきた著者が、ビジネスキャリア成功の秘訣として、その年齢でしかやれないことをやる、特に20代のうちに仕込み・自分作りを済ませておくことの重要性を説いた本である。 ビジネスパーソンにとっての成功は人それぞれであるという観点に立ち、以外・多数・複雑な強みを仕込むことがポイントであると述べており、よくある効率重視・スキルの習得といったことにフォーカスした啓発本とは一線を画す... 続きを読む

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