グリーンスムージーレボリューション
11月 7日 | 投稿者:E.noda | 書評この本では著者のヴィクトリア・ブーテンコさんの実体験をもとに独自で生み出した”グリーンスムージー”という緑色をした飲み物の革命的な健康への効果をアメリカ、オレゴン州から伝えている書籍である。自分と家族の健康のため始めた、ローフード100%の生活の中で生み出された”グリーンスムージー”は、「おいしい」「手軽」「変化を実感しやすい」ため、誰もが続けることができる健康法であると述べている。本書では、葉野菜と果物のみで作る“グリーンスムージー”のピュアな効果を科学に説明し、かつ著者がオススメする170ものレシピが掲載され、まさに心にも体にもうれしい一冊となっている。実際にいくつかのレシピを試した感想を述べると、緑色の色からは想像も出来ない飲みやすい味であり、まさに“フレッシュ”という言葉がぴったりであった。近年、多くのメディアで”グリーンスムージー”が取り上げられたり、芸能人がブログで紹介されていることから耳にすることが多くなっているかと思うが、本書では”グリーンスムージー”の歴史や効果すべてのストーリーが詰まっているので、誰もが翌朝に作ってみようと思う、そんな情報がたくさんである。その一例を紹介すると、著者は本書の中で「グリーン(緑の葉)」が生息する目的としてクロロフィルム(太陽の光を液体化したものと本書では説明がされている)を作り出すことをあげているが、クロロフィルムの分子は、この世の中に存在する、すべての炭水化物の基本となるものであり、また植物の根が持つ糖には、わずか小さじ1杯の良質な庭の土の中に10億もの目に見えないバクテリア、合計数ヤードにもなる自然の栄養素に注目している。また、人間にとってグリーンがどれほど大切であるかを、歴史や他の動物と比較することによっても主張している。最古の人類の骨は現在の東アフリカで発見されているが、人骨を研究した専門家によると、原始人はフルーツ、花、種、樹皮、昆虫そして緑の葉を食べていたという。その後も時に治療薬としても食べられてきた野菜や果物には人類と深い付き合いがあることは明らかである。私たちの体に優しいものであると言えるが、時代の変化によって文明が発達し、加工品が召されるようになってから人類の体(歯や体の形)に大きな変化が起き、現代になって増えた病気も食生活の変化と大きな関わりがあるようだ。時に葉野菜に豊富に含まれているビタミンKは体内の軟骨の形成に必須であるが、これを欠くことで皮膚癌、肝臓癌、血の凝結の弱さ、骨粗鬆症へのリスクが高まっているのである。そんな時代とともに問題視されてきた“健康”に関して、著者の提案する”グリーン・スムージー”は効果を人間だけでなく、動物にまでもたらした事から、私たちもいち早く取り入れるべき習慣であるな、ということを気づかされた1冊であった。