Archive for 1月, 2015

大竹文雄「労働経済学入門」

1月 22日 | 投稿者:T. H. | 書評

本書は労働経済学の基本的な理論を説明したものであり、基礎的な経済学ではとらえきれない労働を考える方法を提示している。本書を読み進めることで、労働市場に対する理解が深まり、年功賃金や終身雇用といった日本的雇用制度の変化や、学歴間・産業間・企業規模間・男女間で生じる賃金格差の原因などを理解することができる。 本稿では、執筆現在において話題になっているベースアップをめぐる労使間の交渉がもたらす影響について、本書を参考に述べる。雇用と賃金に関する結論は、ベースアップが達成された場合、組合のある企業の雇用者の所得向上をもたらす一方で、非組合員の失業者から就業機会を奪い、非組合員の所得低下を招きうる、ということである。 労働組合が組合に所属する雇用者の賃金引き上げだけを目標にしているとすると、組合のない競争的な労働市場であればせずに済んだ失業が発生する。これは、組合が組合員の賃金向上を求め... 続きを読む

羽生善治著「決断力」

1月 21日 | 投稿者:takuya kishimoto | 書評

本書は現役最強の棋士と名高い羽生善治氏の勝負術が披露されている本である。 対局後には頭の血管が膨れ上がり、頭皮が真っ赤になっていることもあるといわれる極めて厳しいプロ将棋の世界において圧倒的な成績を残し続ける天才羽生善治の勝負についての考え方は将棋の世界に身を置く人のみならず多くの一般の人にとっても参考になるように思う。 たとえば本書では知識を「知恵」に昇華することの重要性が書かれている。将棋には「定跡」という戦略のロードマップなるものがあり、戦法や戦形の知識を得るためにそれを覚えることが必須とされる。しかし羽生氏は定跡をただ記憶するのではなく、自分のアイディアや判断を付け加え、なぜそうなるのかをしっかり考えたうえでより高いレベルに昇華させていくのだという。これは「何かを覚える、それ自体が勉強になるのではなく、それを理解しマスターし、自家薬籠中のものにするーその過程がもっと... 続きを読む

『地方消滅』 増田寛也編著 中公新書

1月 3日 | 投稿者:FUJIO MIYACHI | 書評

「896の市町村が消える前に何をすべきか」 「東京一極集中が招く人口減」 タイトルとともに表紙には驚くべき言葉が並ぶ。 若年女性人口の減少予測データから導き出されたデータはこのままでは896の自治体が将来的に消滅の危機にあると言う。日本の人口は2008年をピークに本格的な人口減少が進む。このまま行くと2050年には1億人を割り込み、2100年には5000万人を割るという。 日本は少子化・高齢化に加え、出産適齢期の世代が経済的理由での晩婚化・未婚化、東京圏への若年人口の流入により地方から若年世代が不在になる、など、多くの課題を抱えている。しかし、漠然としたイメージとして少子高齢化が進み「将来的に人口が減るのですよ。」くらいの認識の方は多いのではなかろうか?少なくとも、僕はピンと来ていなかった。しかし今回、危機感を持つことが出来た。 では、どのように対策をとるべき... 続きを読む

『今治タオル奇跡の復活 起死回生のブランド戦略』 佐藤可士和・四国タオル工業組合著 朝日新聞出版

1月 3日 | 投稿者:FUJIO MIYACHI | 書評

佐藤可士和さんがブランディングを担当した「今治タオル」の奇跡ともいうべき奮闘記。第1部を佐藤可士和さんの視点から、第2部を地元の四国タオル工業組合の立場から書かれている。これによって、ブランディングする側とされる側それぞれの葛藤や思惑が見えてくる構成になっている。 その点教科書的なブランド戦略の本となることなく、現在、そしてこれからの「今治タオル」はどのように成長をして行くのかも楽しみな作りとなっている。もちろん、ブランド戦略の指南書としての学びも十分にある。第一にすべき事は「わかりやすさ」であり、また、何が後日ネタにつながるかは分からないのでどんなプロジェクトも主な動向は映像資料として残すべきとある。これはボク自身の課題でもある。自身が手がけるイベントは小さいながらもトレイルランニング界においては新しい試みが多い。加えて、映像部分は全くもってマンパワーが欠けており適任者がいない状況... 続きを読む

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