『この国を出よ』 大前研一/柳井正著 世界で最も優秀な頭脳・才能が集まる大学である、ハーバード大学の学部・大学院の国別留学生数の統計値が紹介されていました。2009~2010年度、日本留学生数は101人。この数は多いのか、少ないのか。ちなみに、お隣の韓国が314人で、中国が463人とのことです。人口や経済事情などに違いがあるので一概には言えないと思いますが、1999~2000年度の数値と比較すると国の『勢い』を示しているとも考えられます。当時、日本人は151人、韓国が183人、中国が227人でした。つまり、この10年で日本が33%を減ってしまっているのに対して、韓国が71%も増え、中国にいたっては104%増と2倍以上になっています。 今の日本の若者の「内向き志向」を示す一例として、大前研一氏が本書で紹介しています。 本書では、大前研一氏とファーストリテイリング(ユニ... 続きを読む
Archive for 1月, 2011
創業10年で売上1000億円。急成長企業が唱える10のコア・バリューとは
1月 25日 | 投稿者:店長 | 成長企業研究, 書評 タグ: ザッポス, トニー・シェイ『ザッポス伝説 アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』 ザッポス・ドットコムCEOトニー・シェイ/著、豊田早苗・本荘修二/訳 1999年にオンライン靴店としてスタートした「ザッポス.com」は、類まれなるカスタマー・サービスを追及し、顧客に愛され、急成長を遂げてきました。2009年にアマゾンが12億ドル以上(約1,100億円)の評価額で買収したニュースは記憶に新しいところかと思います。ザッポスについては、2009年11月に『ザッポスの奇跡』(石塚しのぶ/著)が出版され、一部のブロガーやビジネス書の愛読者の中で話題に上り、昨年12月にCEOのトニー・シェイ氏の原著の日本語訳が出版されたことで、再注目を浴びています。 ザッポスは創業10年ほどで、売上高1000億円以上に急成長をし、今なお成長を続けています。同社の急成長を支えているが、クチコミとリピートです。同社が事... 続きを読む
孫正義氏の人生の中で一番大切なスピーチ
1月 18日 | 投稿者:店長 | 成長企業研究, 書評 タグ: スピーチ, ソフトバンク, ビジョン, 孫正義, 戦略『ソフトバンク新30年ビジョン』 ソフトバンク新30年ビジョン制作委員会編(ソフトバンク・クリエイティブ) 2010年6月25日、ソフトバンクの株主総会で、孫正義氏が発表した新30年ビジョンのスピーチとビジョン策定にいたる同社のプロジェクトについて書かれた本です。巻末には、スピーチを収録したDVDがついていて、音と映像で当日のスピーチの興奮を味わうことができます。 孫さんにとって、30年ビジョンを作るのは2回目のことです。デジタル情報革命の旗手になるべく1981年日本ソフトバンクを設立した当時、たった二人のアルバイトを前にみかん箱の上に立ち、30年後に豆腐のように1丁(兆)、2丁(兆)と数える規模の会社にすると宣言した話はあまりにも有名です。それから30年を迎え、当時思い描いたように、同社は売上高2.8兆円、営業利益4,658億円のグループに成長しました。 「情報革命で... 続きを読む
どん底から7年連続増収。マクドナルドトップが語る復活劇
1月 18日 | 投稿者:博士 | 書評 タグ: マクドナルド『ハンバーガーの教訓―消費者の欲求を考える意味』 原田 泳幸 著 Mac(マック)からMc(マック)へ」-華麗な転身で話題を集めた著者が、マクドナルドでの話を中心に、企業経営やビジネスパーソンにとっての人生、働くということについて語った本である。 最大の注目はやはり、7年連続で既存店売上高が前年割れとどん底であったマクドナルドを、どうやって7年連続の増収、全店売上高で過去最高を記録する(2010年)までに劇的に復活させたのかという点であろう。 その方法はいたってシンプル、基本に立ち返ること、具体的には店舗におけるQSC(品質、接客、清潔)の向上であった。一見表層的なスローガンにも受け取れるが、著者らの取り組みは全くちがう。 企業はコアに据える価値に基づく「らしさ」を体現することでこそ、競合と普遍的に差別化された強みを発揮することができるという考えの下、安易な新規事業・商品の開発や不採算店舗... 続きを読む