Archive for 12月, 2014

「本が売れない」というけれど 永江朗著

12月 19日 | 投稿者:FUJIO MIYACHI | 書評

                  「本屋」をはじめ、「屋」がつく零細な小売業はどんどん減少している。大型店舗建設による商店街や地域の集客力の低下、後継者問題など考えられる要素は様々。ブックオフをはじめとするリサイクルショップの躍進やアマゾンのような大型ネットショップの成長。もちろん、これらも「本屋」の減少の要因になっているとは考えられる。しかし、それと「本が売れない」ということはイコールではないのではないか。商店街の集客力問題は地域経済全体の問題であり、後継者問題は本屋に限らず、小売業全体の問題である。また、リサイクルショップやネットショップの成長も同様、現象としての「本が売れない」(「本が売れない」というのは1つの現象であって、実態は定... 続きを読む

青木仁志著『クオリティ・カンパニー』

12月 17日 | 投稿者:takuya kishimoto | 書評

本書はアチーブメントグループCEOである青木仁志氏の実践的な経営手法について書かれた本である。 本書では、理念を体現するために組織として一貫性のある活動をすることを「理念経営」と定義付けしたうえで、その重要性が述べられている。 理念を中心とした判断をする。このように口で言うのは簡単かもしれない。しかし理念を貫くことは時には目の前の利益を手放すことを意味する。 本書の中では、理念に反する行為を行ったアチーブメントの幹部に対して離職を勧めたという例が紹介されている。この幹部は結果的に理念に賛同できないとして離職した。この幹部が離職することは大幅な売り上げダウンを意味する可能性があったにもかかわらず、アチーブメントは理念を貫いたのである。確かに一時的には利益を失ってしまうかもしれないが、理念を貫くことにより、社員の信用の獲得、社員が自社の事業活動を通して自己実現していける仕組み... 続きを読む

『経済成長という病 退化に生きる、我ら』 平川克美著 講談社現代新書

12月 5日 | 投稿者:FUJIO MIYACHI | 書評

2009年春刊行だが、5年半経った今まさにタイムリーな作品として読むことが出来る。 本書のテーマは以下の通り。 (以下、引用) 世紀末からミレニアム(2000年)をまたいで2008年の金融破綻に至るまでのおよそ10年間に起こった出来事について、…むしろ、私は「何だかよくわからない」ということについて、それがどう分からないのかということの道筋を明らかにしたいのである。 今回は(今回もと言うべきか)書評の体をなしてないと指摘されるかもしれないがそれを承知で書かせていただくと、おっしゃることがいちいちもっともということが多い。僕たちは安易に原因と結果という形に当てはめて物事を分かったつもりになり、思考を停止させる。利便性を手に入れた代償として野生の力をはじめとする人間の根源的なものを差し出している。進化したつもりが実は退化の道を歩んでいるのかもしれない。 「経済成長... 続きを読む

南場智子著「不格好経営 チームDeNAの挑戦」

12月 3日 | 投稿者:takuya kishimoto | 書評

本書は「モバゲー」などで一世を風靡し、現在「横浜DeNAベイスターズ」を運営している株式会社ディー・エヌ・エーのファウンダーである南場智子氏の半生を描いた本である。 本書ではマッキンゼーのコンサルタントとして活躍していた南場氏がソネットの泉二社長のとある一言をきっかけに独立し、ディー・エヌ・エーが大企業へと発展していくまでの話が書かれており、またあまり一般には知られることのない貴重な苦労話が語られている。 私が印象に残ったのは人気ソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」の誕生についての話である。モバゲーの売り上げが伸び悩む中、その再起を図るために各部門の若手エースを集めて作られたソーシャルゲームのうちの1つが「怪盗ロワイヤル」であり、驚きなのはこの大ヒットゲームを作ったのは新卒5年目でそれまでゲームを一度も作ったことがない社員だったということである。この社員はかつてあるプロジェクトのリー... 続きを読む

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