青木仁志著『クオリティ・カンパニー』

12月 17日 | 投稿者:takuya kishimoto | 書評
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978-4-905154-40-2本書はアチーブメントグループCEOである青木仁志氏の実践的な経営手法について書かれた本である。

本書では、理念を体現するために組織として一貫性のある活動をすることを「理念経営」と定義付けしたうえで、その重要性が述べられている。

理念を中心とした判断をする。このように口で言うのは簡単かもしれない。しかし理念を貫くことは時には目の前の利益を手放すことを意味する。

本書の中では、理念に反する行為を行ったアチーブメントの幹部に対して離職を勧めたという例が紹介されている。この幹部は結果的に理念に賛同できないとして離職した。この幹部が離職することは大幅な売り上げダウンを意味する可能性があったにもかかわらず、アチーブメントは理念を貫いたのである。確かに一時的には利益を失ってしまうかもしれないが、理念を貫くことにより、社員の信用の獲得、社員が自社の事業活動を通して自己実現していける仕組みを創出することが可能となるのだという。理念を貫くことこそが企業が長生きする秘訣なのだろう。いわゆる「堅実経営」というのはこのことを意味するのではないだろうか。

私が個人的に印象に残ったのは第4章「理念経営による人材戦略」である。本質的・長期的・客観的な視点に基づいた経営を心掛けているアチーブメントは、採用に多くの労力・費用をかけている。本章ではそうしたアチーブメントの選考過程・選考基準などを通して採用に関して重視すべきことが何であるかを知ることができる。経営者のみならずアチーブメントの入社希望者、さらにいえば就職活動を控える学生みなが一度は目を通しておきたい部分といえるだろう。

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