創業10年で売上1000億円。急成長企業が唱える10のコア・バリューとは
1月 25日 | 投稿者:店長 | 成長企業研究, 書評 タグ: ザッポス, トニー・シェイ『ザッポス伝説 アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか』
ザッポス・ドットコムCEOトニー・シェイ/著、豊田早苗・本荘修二/訳
1999年にオンライン靴店としてスタートした「ザッポス.com」は、類まれなるカスタマー・サービスを追及し、顧客に愛され、急成長を遂げてきました。2009年にアマゾンが12億ドル以上(約1,100億円)の評価額で買収したニュースは記憶に新しいところかと思います。ザッポスについては、2009年11月に『ザッポスの奇跡』(石塚しのぶ/著)が出版され、一部のブロガーやビジネス書の愛読者の中で話題に上り、昨年12月にCEOのトニー・シェイ氏の原著の日本語訳が出版されたことで、再注目を浴びています。
ザッポスは創業10年ほどで、売上高1000億円以上に急成長をし、今なお成長を続けています。同社の急成長を支えているが、クチコミとリピートです。同社が事業を強力に推進する2つのエンジンを手に入れることができたのは、最高のカスタマーサービスと最高の顧客体験を追求してきたからです。
きっかけは、創業期。資金調達に失敗し、潰れかけたときに、マーケティング費用をかけることができないという事情から、既存のお客様に対するカスタマー・サービスの向上に照準を絞り、戦略を切り替えたからでした。
適切な戦略が成長に寄与することは間違いないですが、『幸せ』を徹底して追求するというトニー氏を中心とするメンバーの強い思いが戦略と重なって大きな効果を生んだと思います。
どんなときに幸せを感じるか、どんな職場が幸せか、顧客に幸せを届けるならどうしたらよいか・・・。リーダーや組織や集団を構成する人によって『幸せ』の定義は様々だと思います。
自分が所属する企業や団体が追求したい『幸せ』は何でしょうか。自分や所属する企業や団体の顧客や取引先、株主などの関係者が追及したい『幸せ』は何でしょうか。
自分たちの目指すべき企業らしさやカルチャーについて考える場合、まずは『幸せ』の定義から始めてみてはいかがでしょうか。
なお、ザッポスの企業文化は、以下の10のコア・バリュー(価値観)の体現によって醸成されています。
1) サービスを通して「ワオ!」という驚きの体験を届ける
2) 変化を受け入れ、変化を推進する
3) 楽しさとちょっと変なものを創造する
4) 冒険好きで、創造的で、オープン・マインドであれ
5) 成長と学びを追求する
6) コミュニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
7) ポジティブなチームとファミリー精神を築く
8) より少ないものからより多くの成果を
9) 情熱と強い意志を持て
10) 謙虚であれ
企業の成長の原動力となる、企業文化やコア・バリューについて学ぼうとされている経営者やビジネスリーダーの方に、是非読んでいただきたいと思います。
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