永井孝尚著『戦略は「一杯のコーヒー」から学べ!』

11月 19日 | 投稿者:takuya kishimoto | 書評
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978-4-04-600575-5セブンイレブンのセブンカフェを筆頭として今日ではほとんどのコンビニエンスストアで低価格かつ高品質のコーヒーを楽しむことができる。これまで以上にコーヒーが生活に浸透してきているといえるだろう。

本書はそうしたコーヒーブームをビジネスの観点から分析するというものである。ドリームコーヒー株式会社という架空の会社を舞台に、コーヒーについて無知であった主人公のさくらがコーヒーについての基礎知識のみならず、スターバックスやドトールなどが行ったビジネス戦略を学び、コーヒー業界の奥深さを知っていくという形でストーリーが進行していく。

さまざまなビジネス戦略が紹介される中で私がもっとも驚いたのはスターバックスの広告宣伝費の少なさである。本書によればマクドナルドの広告宣伝費の100分の1だという。確かにスターバックスのCMを思い出してごらんと言われても思い出すことはできない。これは店舗自体がスターバックスの広告塔だと考えていること、そして過度な売込みをせずにスタバらしさを追求し、文化や人道的な問題に絡めて巧みに人々の心に訴えかけるマーケティング手法を採用していることに起因するものだという。また本書ではコーヒーの歴史や製造過程についても分かりやすく書かれており、物語形式であるため、簡単にコーヒーの基礎知識について学ぶこともできる。コーヒーがどのように栽培され、私たちの元に辿りついているかをあなたはきちんと説明できるだろうか。読了後にはついコーヒーが飲みたくなってしまう一冊である。

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