『「ご当地もの」と日本人』 田村秀著 祥伝社新書
11月 20日 | 投稿者:FUJIO MIYACHI | 書評「ご当地」、日本ならではのこの文化(と言っても過言ではないだろう)。そのレパートリーと歴史、そして今後の展望に迫るのが本書。特に「ご当地」の中でも一番存在感を示す、「ご当地グルメ」が中心的位置を占める。新書だけあって要点を簡潔にまとめてあり分かりやすい。また、「ご当地」の光と影として、課題の部分にもしっかりと触れられている。
僕の「ご当地」という言葉に対する印象は、日本にあふれている、あふれすぎていると思っている。ゆるキャラの数は数えきれない程で覚えきれない。(ゆるキャラが悪いのではないが何でもかんでもゆるキャラを作れば良いという事ではない)反面、「ご当地グルメ」のように地域性をそのまま出せるものは無理なメニュー開発をしない限り郷土の味であるし、これは大いに広めるべきだと考える。流行りものに弱い日本人。「ご当地」という言葉に踊らされるのでなく、冷静に身の丈にあった「ご当地」を発信する事が重要だと考える。それこそが正しい「ご当地」のあり方であり、日本各地に、ひいては世界に発信して行く事につながるだろうと考える。