日本中から顧客が追いかけてくる8つの物語
12月 29日 | 投稿者:店長 | 書評, 経営学 タグ: 中小企業論, 坂本光司教授法政大学大学院政策創造研究科教授 坂本光司著(ダイヤモンド社)
<いい仕事とは>何かを教えてくれる一冊です。本書の著者は、ベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者である、坂本光司氏です。全国6,300社以上の企業を視察してきた中で、「奉仕を先に、利をあとに」という精神での経営を実践し、ぬくもりのある製品、愛のあるサービスを提供し、心に響くいい仕事をしている会社を8社紹介しています。8社は、いずれも社員数30名程の小さな会社です。
例えば、顧客が朝の4時か5時、盆暮れには朝1時から行列をつくり、その風景が40年以上も続いている「幻のようかん」を製造販売する「小ざさ(おざさ)」。業界平均の年間坪あたりの売上が約231万円(2007年)のところ、1坪ほどの店舗で年商3億円超を誇ります。社長は、稲垣篤子さん。創業者であるお父さんから、数十年に渡る厳しい修行の末に受け継いだ味を守り続け、「小ざさ」については、稲垣さんの著書『1坪の奇跡』 に詳しく書かれていますので、興味のある方は是非ご覧ください。
社長自らパーキンソン病に冒されながらも、高齢者がいきいきと働ける場といきがいを提供するため力強く経営する「高齢社」(上田研二社長)。脳障害の娘さんのために福祉医療関係の機器の開発を手がけるようになり、世界中のお客様に喜ばれる製品を次々と世に送り出している「キシ・エンジニアリング」(岸征男社長)の話など、世のため人のために働こうとする使命感、情熱に心を動かされます。
本書で紹介された8つの会社が、なぜ、お客様や社員、取引先から愛されるのかが分かります。企業の規模によらず、仕事や事業の意義・本質について考えるのに良い材料となる1冊だと思います。
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