Archive for the ‘経営学’ Category

『路地裏の資本主義』を読む。ー足下にある定常経済ー

10月 29日 | 投稿者:Ryojiro Yamamoto | 書評, 経営学

ビジネス書全巻ドットコムの店主であり、走る社会学者とひそかに呼んでいる宮地藤雄氏がレコメンドしていたので読んだ本。増刷となって売れているよう。 まず、表紙の写真がとても良い。著者が生まれ育ち、最近また居を移し、仲間と働く、東急池上線の荏原中延駅の商店街だろうか。この地に今年、喫茶店も開いたのだという。「町に自分たちの根拠地をつくりたい」という理由からそうしたのだと書かれてある。「町に根拠地をつくる」。 何だろう、この魅惑的な響きは。何度でも口に出してみたくなる。「町に自分たちの根拠地をつくる」。学生時代、大学には向かわず渋谷、新宿の裏町を毎日のように彷徨った著者は、歩き疲れると喫茶店に立ち寄り、何時間でも無為な時間を過ごす。渋谷の道玄坂にあった「ライオン」という名曲喫茶に、ついには毎日入りびたり、一日中そこで過ごした。 喫茶店の対極にあるものとして描かれているのは、言うま... 続きを読む

ドラッカー著『イノベーションと企業家精神』を読む

7月 14日 | 投稿者:旅人 | 書評, 経営学

『イノベーションと企業家精神』 P.F.ドラッカー著/上田惇生訳 (ダイヤモンド社) 本書は、1985年に出版されたドラッカーの名著の一つです。アメリカの分析を中心に、冒頭で起業家経済、起業家を定義し、その後イノベーションを生み出す7つの機会について事例と共に書かれています。 「ベンチャー」というとハイリスクハイリターン、ハイテクといったイメージが先行しますが、それは誤った認識であることがわかります。実際のデータをもとに明らかにされています。また、「起業家」について、ややもすると直感的、気質、才能といった言葉で表されますが、基礎となるのは原理、方法であり、行動であると定義しています。 イノベーションの部では、第五の機会として挙げられていた「人口構造の変化に着目する」が面白かったです。社会はなかなか変わらないようで一気に変化するという側面があります。ただ、人口構造に着目し... 続きを読む

日本中から顧客が追いかけてくる8つの物語

12月 29日 | 投稿者:店長 | 書評, 経営学 タグ: ,

『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』 法政大学大学院政策創造研究科教授 坂本光司著(ダイヤモンド社) <いい仕事とは>何かを教えてくれる一冊です。本書の著者は、ベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者である、坂本光司氏です。全国6,300社以上の企業を視察してきた中で、「奉仕を先に、利をあとに」という精神での経営を実践し、ぬくもりのある製品、愛のあるサービスを提供し、心に響くいい仕事をしている会社を8社紹介しています。8社は、いずれも社員数30名程の小さな会社です。 例えば、顧客が朝の4時か5時、盆暮れには朝1時から行列をつくり、その風景が40年以上も続いている「幻のようかん」を製造販売する「小ざさ(おざさ)」。業界平均の年間坪あたりの売上が約231万円(2007年)のところ、1坪ほどの店舗で年商3億円超を誇ります。社長は、稲垣篤子さん。創業者であるお父... 続きを読む

戦略とは、捨てることなり

12月 23日 | 投稿者:店長 | 書評, 経営学 タグ: ,

『トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか』 ジム・コリンズ序文、ケビン・メイニー著、有賀裕子訳(プレジデント社) <競争戦略>を考える際に有用なフレームワークが書かれています。企業や商品が成功あるいは失敗に至った豊富な事例をもとに、斬新かつシンプルな戦略コンセプト(概念)を提起しています。 ビジネスを成功に導くのは上質と手軽の二者択一(トレードオフ)にあるといいます。 上質とは、(得がたい)経験+オーラ+個性であり、愛されるモノやサービスです。手軽とは、入手しやすさ+安さであり、必要とされるモノやサービスです。どちらも中途半端な状態を不毛地帯と呼び、不毛地帯にある商品では市場で勝ち残れないことを示しています。上質かつ手軽を極めることは不可能で、事業は迷走し失敗するとも書かれていました。 上質か手軽を決めるのは提供者ではなく、消費者です。年齢層、所得、地域などによって... 続きを読む

マネジメントの父、ドラッカー

12月 2日 | 投稿者:店長 | ベストセラー, 書評, 経営学, 電子書籍 タグ: , ,

160万部を軽く超えなお売れ続けている『もしドラ』をはじめ、ここ数年でドラッカー関連の著書が注目を浴びています。 イトーヨーカ堂の創業者で現在はセブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊名誉会長、パナソニックの中村邦夫会長、ユニクロの柳井社長、国外ではグーグルのCEOエリック・シュミット氏をはじめ、多くの経営者がドラッカーを読み、そのエッセンスを経営に取り入れています。 週刊ダイヤモンド11月6日号では、「みんなのドラッカー」という特集が組まれています。上述のパナソニックの中村邦夫氏をはじめ、スクウェア・エニックス社長の和田洋一氏、資生堂名誉会長の福原義春氏等により、ドラッカーの思想の深さが語られています。 ピーター・ドラッカー全巻 ドラッカーに影響を受けた経営者の本も気になるところです。関連の全巻をご紹介します。 伊藤雅俊全巻 柳井正全巻... 続きを読む

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