Archive for the ‘ベストセラー’ Category

なぜこの店で買ってしまうのか -ショッピングの科学-

4月 24日 | 投稿者:店長 | ベストセラー, 書評

『なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学』 パコ・アンダーヒル/著 鈴木主税/訳 福井昌子/訳 米国エンバイロセル社の創業者でありCEOの筆者は、消費者がショッピング空間(小売店は勿論のこと、銀行、飲食店などあらゆるサービスを享受する場)において、買うあるいは買わないという意思決定をどのように行うのか、調査研究をしてきた第一人者である。 GAP、スターバックス、マクドナルド、シティバンク、ヒューレット・パッカード、ヤフー等、急進的なブランドを世界的なものに押し上げたり、大手企業の更なる成長を支えたりと影で多大な貢献をした人物でもある。 彼の研究方法は、徹底的な現場におけるフィールドワークを基礎としている。 トラッカー(追跡者)と呼ぶ専門調査員とビデオカメラにより、世界中の業種・形態の店舗で人間の行動をつぶさに観察してきた。膨大な調査データに基づいた事例か... 続きを読む

超訳 ニーチェの言葉 - 232のことばが示す前向きなメッセージ

4月 15日 | 投稿者:旅人 | ベストセラー, 書評

『超訳 ニーチェの言葉』 フリードリヒ・ニーチェ/著 白取春彦編訳 本書は、232の「言葉」とその引用元であるニーチェの文献を格言集のような体裁で紹介しています。「己」「喜」「友」「世」など、人間や感情に関する10の章に分けられていて、前向きなメッセージが中心です。 多文献の引用による編訳書のため、矛盾を感じるところがあったり、ニーチェの思想の体系的な理解(本質的な理解)にはならなかったりする点はあるのではないかと思います。しかし、物事の感じ取り方はおかれている状況などによって変わってきますので、立ち返って仕事や生活への前向きな姿勢を取り戻す時に本書のメッセージを役立てられるように思います。 私の印象に一番残ったのは「夢の実現に責任を持て」というメッセージです。何故か「愛」の章にあります。「人」の章にも同様のメッセージ「夢に責任を取る勇気を」が登場します。夢を高く掲げるより... 続きを読む

働く君に贈る25の言葉

3月 20日 | 投稿者:店長 | ベストセラー, 書評

『働く君に贈る25の言葉』 佐々木常夫/著 3月11日に発生した東日本大震災で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。 今回ご紹介するのは、『働く君に贈る25の言葉』です。 本書の著者、佐々木常夫氏は、2001年、同期トップで東レの取締役に就任し、2003年から2010年まで東レ経営研究所社長として活躍されました。しかし、著者の私生活は順風満帆とは程遠いものでした。初めて課長に就任した年に奥さんが肝臓病を患い、自閉症の長男を含め3人の子供を育てていましたので、毎日18時に退社しなければならないという時間的な制約がありました。やがて、奥さんはうつ病を併発し、43回に及ぶ入退院を繰り返し、3度の自殺未遂をされました。同時期に6度も東京と大阪を繰り返し異動され、大変な思いをしながら仕事を続けてこられたんだと思います。そのような状況の中、著者は「最小の時間」で「最大の... 続きを読む

文盲の母、山の斜面ではいつくばるように暮らした幼少の記憶

2月 11日 | 投稿者:記者 | ベストセラー, 書評 タグ:

『母-オモニ-』(集英社、2010年6月) 姜尚中/著 政治学、政治思想史専攻の姜尚中氏は、東京大学大学院教授である。在日では最初の東大教授ではないかという。 在日二世である著者の母(オモニ)は完全な文盲だった。母は、鄙びた田舎の小作人の倅で日本に出稼ぎに行っていた父と、出生地である桜の名所鎮海(チネ)で見合いし、大東亜戦争勃発の年、再び日本に戻った父を追い16歳で新婚生活を始めた。場所は巣鴨三丁目だったという。母は日本語の読み書きができなかったばかりでなく、旧弊や植民地支配の差別の中で小学校にも行けず、民族の言葉すら知らなかった。 一方、満州事変の年に15歳で日本に渡った父は、母ほどの完全な文盲ではなかったが、どれだけの職と住処を転々としたかわからないほど、その青年期は流転の日々だったという。 1950年、著者は両親が戦後移り住んだ熊本の在日韓国・朝鮮人集落で生まれ... 続きを読む

マネジメントの父、ドラッカー

12月 2日 | 投稿者:店長 | ベストセラー, 書評, 経営学, 電子書籍 タグ: , ,

160万部を軽く超えなお売れ続けている『もしドラ』をはじめ、ここ数年でドラッカー関連の著書が注目を浴びています。 イトーヨーカ堂の創業者で現在はセブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊名誉会長、パナソニックの中村邦夫会長、ユニクロの柳井社長、国外ではグーグルのCEOエリック・シュミット氏をはじめ、多くの経営者がドラッカーを読み、そのエッセンスを経営に取り入れています。 週刊ダイヤモンド11月6日号では、「みんなのドラッカー」という特集が組まれています。上述のパナソニックの中村邦夫氏をはじめ、スクウェア・エニックス社長の和田洋一氏、資生堂名誉会長の福原義春氏等により、ドラッカーの思想の深さが語られています。 ピーター・ドラッカー全巻 ドラッカーに影響を受けた経営者の本も気になるところです。関連の全巻をご紹介します。 伊藤雅俊全巻 柳井正全巻... 続きを読む

司馬遼太郎が紡ぐもの

11月 29日 | 投稿者:店長 | ベストセラー, 書評, 歴史小説 タグ: , , ,

NHK大河ドラマ「龍馬伝」の最終回が11月28日(日)に放映されました。龍馬伝については既にご存知だと思いますが、坂本龍馬の生涯を岩崎弥太郎の視点から描くという斬新なアプローチと主演の福山雅治をはじめとするキャスティングが人気を博しました。ドラマや映画の人気と合わせて、原作の小説やコミックの販売部数が伸びるものですが、龍馬伝は原作がなく、福田靖氏という脚本家が書いたオリジナルの作品です。福田氏は、救命病棟24時シリーズ(フジテレビ)、ガリレオ(フジテレビ)、映画の海猿などを手がけている敏腕脚本家です。福田氏が大学時代に夢中になって読んだ本が、司馬遼太郎著『竜馬がゆく』とのことで、龍馬伝の脚本を書くにあたってベースとなった本であることは間違いなく、その違いを楽しむことができます。 NHKでは、12月5日(日)から毎週日曜、年末にかけて、スペシャルドラマ「坂の上の雲」第2部(全4... 続きを読む

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