『ニッポン景観論』 アレックス・カー著

10月 10日 | 投稿者:FUJIO MIYACHI | 書評
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978-4-08-720753-8『ニッポン景観論』 アレックス・カー著 集英社新書

読んだ時にとてもしっくりと来た。ボク自身もそうであるが、何故、海外の景色や街並に度々魅せられるのだろうか。感覚的に素敵だと思うものは世界中にあるのに、何故日本ではそう思うものが少ないのだろうか?そんな疑問が以前から頭の隅から離れずにいた。今回、著書を読んで分かったことはニッポンの日常は景観という視点からするととても残念であるということ。意見は分かれるところだが、割り込みや窃盗も少なくモラル意識の高い日本人であるのだから、マナーを促す看板を反映させることなくともマナーは守れるだろうし、景観も洗練させることが出来るように思う。悪い意味での日本らしさ、型通り、杓子定規であることは、景観、ひいては日本の観光全体にも悪影響を及ぼす。いや、既にか?なんにせよ、僕は統一感があり、計画性のある街並が好きなので著者の意見には全面的に賛成である。山に登った時に眺めるのは鉄塔や電線ではなく、広がる空であり、山々である。看板、電線、過度のコンクリート舗装、場所に不釣り合いな現代的建築など、事例は多岐に渡る。街づくりとはなにか?景観作りとは何を心がけるべきか?一度作ってしまえばそう簡単には壊せないし、変えられない。何より元には戻らない。そのことを胸に、景観作りはされるべき。あいにく街づくりを担当させていただく機会は今のところ無いのだが、考えさせられる一冊。

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