モチベーションを思うまま高める法
7月 16日 | 投稿者:藤井健人 | 書評「変革」や「革新」と呼ばれるような激的な転換期には、一つの秩序秩序が崩壊し、新しい秩序が生まれようとする。高度経済成長時代より続く古ぼけた社会システムに終わりを告げ、私たちは社会や組織との新しい関係性を模索しなければならない。
生活基盤が安定し、ほとんどの個人が物理的には不足のない豊かな暮らしができるようになり、グローバル化やIT革命により価値観が多様化した今、共通の目標、徹底した管理教育、指示と指導、評価と報酬を礎にした外側からの動機付けには効果がなくなってきた。そこで著者は、個人の心の中から湧きあがってくるワクワ クする気持ちに着目し、報酬のために仕事をするのではなく、仕事が面白いから仕事をする環境作りを目標とせよと説く。
この本では手っとり早く人のモチベーションを思うまま高める方法は書かれてはいないが、今後の社会においては他人からの評価をはじめとする「枠」に拠り所を求めるのではなく、個人ごとに目標を設定し、それを社会に還元する姿勢が仕事を楽しくするのだと力説している。自分から取り組む、自発的に社会に貢献しようという姿勢を楽しむことができたなら、新しい時代のモチベーションの形が見えてくるのかもしれない。