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青木仁志氏インタビュー
[更新日2010/10/20]
「頂点を目指す生き方 ~世界最高峰の人材教育コンサルティング会社へ~」第4回
聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎
■社会に対して意味のある出版物
― 出版事業についても少しお聞きしたいのですが、グループ全体の中で出版事業はどのような位置づけにされているのでしょうか。
 おかげさまでアチーブメント出版は、出版不況と言われる今の時代でも利益が出ていますが、本質的には選択理論を世に広めたくて、出版社を興したんです。選択理論を広めることによって、社会からいじめや差別をなくし、本当に人々が安心して生活していける、明るい社会を実現するということが、出版事業を始めた動機です。
 始めた当初は理念というか想いが強く、本業で利益が出ているので、出版の方は利益がなくても良いと思っていました。はっきり言って選択理論を広めるために作ったんだからという考えがありました。でもそれは、経営者としては正しい姿ではないですよね。
 色々と経験をする中で、社会に対して意味のある本を出したいという思いが芽生えてきました。今では、ネーミングとかデザインとかはすべて現場に任せ、私は「社会に対して意味がある出版物かどうか」という1点だけ関わっています。選択理論はもちろん軸になっていますけれども、世の中に役立つものだけを出していこうと決めているんです。
 出版を通じてアチーブメントの顧客層も広がると思います。空軍、海軍、陸軍とよく言うんですけれども、出版は空軍です。ブランディングでもあり、マーケティングでもあります。今年の6月に、4-Dシステム(※16)というNASA(※17)の教育プログラムについて書かれた『NASAのチームビルディング』という本を出しました。著者のコロラド大学ビジネススクールのペレリン教授は、NASAのチーフディレクターを10年間やっていた方で、今ではアチーブメントの顧問をやってもらっています。アチーブメントでは宇宙開発機構の研修もやっているので、技術系の法人向け研修で相乗効果が出ますよね。9月には『ドラッカーの講義 ~マネジメント・経済・未来について話そう~』を出しましたけれども、これも経営者の方に多く読んでいただいていて、研修事業に良いシナジーが生まれています。
■大切なものを大切にする
― 休暇を大切にされているとご本にも書かれていて、日曜は必ず休みをとり、3ヶ月に1回は海外に行かれるとありましたが、仕事と休暇のバランスについてはどのようにお考えでしょうか。
 「振り子の原理」ということで、ハードワークをした後は抜かなきゃいけないんですよ。それはやはり、自分のベストコンディションを維持することでもあるし、私は所属の欲求が強いので、家族との人間関係をより良くすることがモチベーションなんです。家族は太陽みたいなものなんです。変わらない存在です。だから、それを第一にして生きるんです。大切なものを大切にするということが基本です。月曜の夜は、二人の子供たちに食事を作っているのですが、「おいしい」といって食べてくれるのがうれしいんですよ。
■いじめや差別のない明るい社会をつくりたい
― 人生を変えた3冊の本について教えてください。
 1冊目は、ナポレオン・ヒルの『成功哲学』です。2冊目は、29歳のときに出会った『バイブル(聖書)』。バイブルと出会ってなかったら、夏目先生の会社に入社することはなかったと思いますよ。夏目先生が僕をバイブルに導いてくれたんです。それで、「人々がして欲しいと望むとおりのことを、人々にしなさい」という黄金律が自分の中に出来たんです。これが人生における、まさにゴールデン・ルールになったんです。ダイヤモンド・ルールと言ってもいいくらいのルールです。そして、3冊目がアチーブメント創業のきっかけとなった『選択理論』になります。
― それでは、尊敬する方を教えてください。
 まず、選択理論心理学の大家であるグラッサー博士ですよね。
 経営者でいうと松下幸之助(※18)さんです。すごく尊敬しています。9歳の丁稚奉公から「世界の松下」を創った人ですから。でも、実はすごく人間くさい人なんですよね。それと、84歳で松下政経塾を作っています。94歳の最期まで世のため人のために生きた人生なんです。
 もう一人は、三浦雄一郎さん。この5年くらいに会った人の中で、ものすごくインパクトを与えられた人です。私の30冊目の著書『頂点を目指す者たちへ』は、三浦雄一郎さんと共著で出版させていただきました。前々からお目にかかりたいと思っていて、ある社員が三浦雄一郎さんのお子さんの友人だったので、それがきっかけでお会いすることができました。
― 歴史上の人物では、いかがでしょうか。
 ガンジーとかマザー・テレサとかキング牧師とか、偉人と呼ばれる人です。私は、偉人伝(※19)が好きでよく読んでいるんですけれども、愛を土台にして、他人の人生に対して本当に自分の身を捧げた人は、非常に尊敬しますね。自分はそうなれないですから。とてもそこまでの生き方はできない。マザー・テレサにしても、キング牧師にしてもミッションに生きた人ですよね。「私には夢がある」で始まる有名な詩は、とても感動します。フローレンス・ナイチンゲールもそうですが、上流社会の中で何不自由なく生活をしていたのに、クリミア戦争のとき、戦地に行って活動したわけですよね。戦場で「白衣の天使」と言われ、大統領に直接手紙を書いた。上流社会の子が行ったからこそ、大統領に現状が全部伝わって、物資が届き、多くの人が救われた。帰ってきた後もナイチンゲール憲章を作ったように、一生涯を看護婦の育成に尽くしたじゃないですか。やはり、すごいなぁと感銘を受けます。
 私は将来、いじめや差別のない明るい社会をつくるために、財団をつくりたいと思っているんです。今55歳ですので、あと20年くらいは実業の世界にいて、走り続けたいと思います。それ以降は、学校を創ったり、教育を通じて社会を変革したりと、国家に対して貢献する、そんなことをしていきたいんです。能力開発の世界で、溶接工見習いだった人間がどこまでできるのかということにチャレンジしたいと思います。
― お忙しいなか、貴重なお話をいただき、大変ありがとうございました。

アチーブメントでは、社員の健康はもちろん、お客様のために、食材にこだわった創作料理を提供するダイニングレストラン「創作和食ダイニング Felice(フェリーチェ)」も経営している。
[撮影:大鶴剛志]
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※16 NASA職員の約半数が実践している画期的アセスメントで、プロジェクトチームのパフォーマンスを劇的に向上させるチームビルディングシステム。アチーブメントでは、「4-Dシステム」のアセスメントやワークショップを提供している。
※17 National Aeronautics and Space Administration(アメリカ航空宇宙局)のこと。
※18 松下幸之助については、松下幸之助全巻を参照。
※19 ガンジー、キング牧師など世界の偉人については、世界の偉人伝全巻を参照。
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