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出井伸之氏インタビュー
[更新日2010/05/18]
「非連続の飛躍 ~ソニーの成長とクオンタムリープの挑戦~」第2回
聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎
 1995年4月から10年間に渡って、グローバル企業であるソニー株式会社をはじめとする、ソニーグループを率いてきた出井伸之氏。CEOを退任後、2006年9月にクオンタムリープ株式会社を設立し、事業創造への仮説や成長機会をグローバルな視点で捉え、日本とアジアの飛躍的な進化を掲げて国際的に活躍されています。インタビューでは、井深大氏や盛田昭夫氏のお話をはじめ、ソニーがどのようにして世界的企業へと発展したのか、トップとしてどのような視点で経営されてきたのか、また日本の未来やクオンタムリープでの取り組みなどについてお聞きしました。
■「松下」から大いに学ぶ
─ 出井さんは松下幸之助さんのことがとても好きで、カンパニー・エコノミストを志してソニーへ入社されて以来、一貫して企業としての「松下電器産業(現パナソニック)」を研究されたと伺いました。どのようなところに惹かれたのでしょうか。
 松下は先輩企業ですし、組織論とか、管理論とか、それからあの松下幸之助さんの経営哲学を、ライバル企業とかそういう邪念は持たずに読みました。労働組合の対処の仕方も勉強しました。ライバルというよりも、大先輩会社ですよ。全く手の届かない大企業として、勉強しました。パリ時代も松下の人達と仲良くしていました。今でも当時のオーディオの事業部長でライバルだった四角(よすみ)さんとは交流があります。彼が松下を退職した際、卒業祝いとして一席設けたときに、退職金をどうするか聞いたら、彼は「松下の株を買います」と答えました。松下は偉大な会社だと思いました。実はソニーと共通点がないようであるのではないかと思います。
 ソニーに触れた人というのは、アメリカ人でも、ドイツ人でも、人種を問わず、一生ソニーを好きでいます。勿論、嫌で辞めた人もいるとは思いますけれども、基本的には好きなのではないでしょうか。それで、いつでも批判的です。「これではダメだ。もうブランドは古くなった」とか、いつの時代も同じ様なことが言われます。中にいても、外にいても、みんな、常にソニーの建設的な批判者です。可愛さ余って憎さ100倍という感じの意見もありますが、中にいるときのノリが続くのかもしれません。
 みんながソニーを好きになるのは、ソニーの作り出す、一種の社風みたいなものが影響しています。個性が生きる会社、勝手なことが言える会社、そんな部分が魅力なのではないでしょうか。松下と比べてみると、個人と組織ということでしょうか。個人のソニーと集団の松下というようにDNAに違いがあるんだと思います。ある人に指摘されたことでもあるし、本にも書いたのですが、僕は松下に入ったら、絶対に社長になることはなかったと思います。
─ 松下幸之助さんとご面識はおありでしょうか。
 お会いしたというより、見たことがありますよね。ソニーの本社によくいらしてたんです。自分ではあまり気付いていないんですけれども、井深さん、盛田さんに、若い頃から目にかけてもらっていたというか、結構可愛がられていたので、他の人より接触の頻度が多かったみたいです。
■プロフェッショナル経営者としての自負
─ 社長になろうと思ったことは一度もなかったとのことですが、「プロフェッショナル経営者」ということについては、いつ頃から意識されていたのでしょうか。
 経営者というよりもプロフェッショナルにならなければならないという自覚は、入社した時からずっとありました。僕はソニーに入るときに、カンパニー・エコノミストになろうと思ったんです。父親が経済学者だったものですから、経済については身近なテーマでした。僕は、会社に入ったら特技を持たなきゃいけないと思っていたので、エコノミストの目で会社を見ようと考えたのです。20代前半からフィナンシャル・タイムズをずっと読んでいました。赤入れとか、切り抜きをして、いろんなレポートを書いたことを覚えています。
─ プロフェッショナル経営者たる資質や訓練としては何が求められるでしょうか。
 「自分の資質を見極める」ということが重要です。僕自身で言えば、状況を認識して仮説を出すのが好きなんです。常に頭の中で状況を分析して、仮説を出しています。そういうことはみんなやっていると思っていましたが、社内で研修を受けた時、みんながみんなそうじゃないということが分かりました。普段から状況分析をして仮説を出すということをやっていましたし、何よりもそうしたことが好きでしたから、自分には仮説構築の才能があるんだなと思った。自分の才能に気付くことが重要です。才能は、嫌いなものには絶対なくて、好きなことにあります。欠点を補うよりも才能を伸ばす方が良いと思います。
 自分は将来のことに対する分析が好きなのか、現在の仕事をするのが好きなのか、それとも後ろに戻って過去やったことを整理するのが好きなのか。みんな色々な才能があるわけじゃないですか。職業も、弁護士もあれば、経営管理の人もいれば、会計の人もいるし、リサーチャーもいます。実験を繰り返す人もいれば、分析しないで直感で仕事を進める人もいる。直感は何から生まれるかというと、情報収集から生まれるわけです。情報がないなかで急にひらめくのは難しいので、直感力がある人は情報収集力があるということです。人の持っている個性というのは、自分の才能に気が付くとさらに強くなります。
 僕は、アドミニ関係とか、絶対向いていないと思います。入社した時、タイガー計算機を使って縦横あわせ(※9)をやったんですが、全然できませんでした。こういうのが下手だな、向いてないなと思いました。何が自分に向いているか知ることは重要ではないでしょうか。
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※9 スプレッド・シート(表計算)のこと。現在は、マイクロソフト社のExcelが圧倒的な市場シェアを占めている。
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