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インタビューバックナンバー
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嶋田毅氏インタビュー
[更新日2010/07/24]
「創造と変革の志士たち ~人をつくり、知恵を広げる~」第3回
聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎
 株式会社グロービスは、1992年の創業以来、「ヒト」「カネ」「チエ」のビジネスインフラの構築を掲げ、成長発展を続けています。「チエ」にあたる出版事業の出版局長兼編集長を務める嶋田毅氏に、累計120万部を超えるロングセラー『グロービスMBAシリーズ』(以下、MBAシリーズ)の誕生秘話や今後の出版事業の戦略、ご自身の近著『利益思考』、同社の成長を支えるカルチャーなどについてお聞きしました。
■「知恵のショーケース」から書籍をつくる
― GLOBIS.JPの位置づけについてお聞かせいただければと思います。
 GLOBIS.JPはオンラインマガジンで、立ち上げた時は私も結構関わっていました。ビジネスモデルをどうしようかというのは最初からの悩みでした。ダウンロード課金にしたり、広告モデルにしたりして収益化するのが良いとか、広告をあえて外部から取らずに、グロービスの「知恵のショーケース」みたいにしておくのが良いとか、いろいろなやり方が検討されました。
 以前は私が発行人を務めていましたが、現在は広報部門が担当していまして、社内の知恵のショーケースとして位置づけつつ、アクセスを集めて、広告を掲載していただけるようにしました。今はマーケティングの要素が強いと思います。知恵が集積している場所ということもあって、グロービスのブランド力の向上につなげています。社員や講師陣が持つ知恵を外部にきっちり見せてあげることによって、メディア化していくと言いますか、そこに人が集まってきて、弊社のサービスをご利用いただくようにしていくことが一番大きな狙いです。
 まだ小さいサイトですので、自分たちのサイトに人を集めるだけではなくて、コンテンツの一部を提携しているオンラインメディアに提供しています。「東洋経済オンライン」「ダイヤモンド・オンライン」など、10媒体あります。幅広い方々に記事を読んでいただけるようにしていまして、2009年から日経BP社のアドネットワークに参加し、広告媒体としての側面も持ち始めました。
 さらに、コンテンツとして蓄積されたものを書籍として昇華させられると良いなと考えています。実は、『ビジネス仮説力の磨き方』は、「仮説の力」というGLOBIS.JP上の連載をベースにして作った本です。最初から本にしようと考えながら連載を始めて、コンテンツがたまったところで、ケーススタディや別パートを追加して本にしました。
 今は、「ワイン片手に経営論」という前田琢磨さん(※10)の連載をもとにした本を企画しています。ちょっと渋いテーマですが、ワイン業界を取り巻く歴史的変化を通じて、企業経営への本質的な示唆を探る連載です。それ以外では、私がGLOBIS.JP で書いた「経営理念」というコンテンツをある書籍で再利用しています。「経営理念」は、リクルート、リッツ・カールトン、イケア、ピクサー、ファーストリテイリングなど(※11)、国内外の注目企業を独自に選び、経営学の視点から経営理念を読み解いていくというものです。本の執筆は私ではないのですが、「経営理念」を文中のコラムやケースとして使っています。
 また現在は、「カイゼン! 思考力」という思考系(※12)の連載も私が担当しています。いろんな領域の連載をしていて、「専門は何ですか」と聞かれると、答えにちょっと困りますね。以前、他社のオンラインマガジンでも思考系の連載をしていたので、「カイゼン!思考力」と合わせて、将来的には本を出したいと思っています。
 弊社では、コンテンツをなるべく広い範囲で活用できるようにしています。あるコンテンツが、スクールや研修の教材にもなり、GLOBIS.JPみたいなオンラインマガジンのコンテンツにもなり、体系化され書籍になるという流れができることが一番良いと考えているんです。そのベースになるようなコンテンツを上手く作っていくことも、GLOBIS.JPの狙いの一つです。
■議論から生まれた「グロービス・ウェイ」
― それでは、会社のカルチャーや理念などについて、お伺いできますでしょうか。
 そうですね。私が入社した当時から「リトリート」(※13)という合宿みたいなものをやっています。今は組織が大きくなりましたから、部門ごとにやっていますけれども、1990年代は春と秋、年に二回は全員が集まって経営合宿をしていました。単純に言えば、いつも話していない人と話すことができる機会になります。今では少し抑え気味にしていますけれども、みんな飲み会で多少羽目をはずすこともあり、普段は見えない一面を見ることができて、それぞれの人となりを理解する場にもなっています。人間っておもしろいもので、その人と会話をしたり、接触が増えたりすると、その人に好意を持つという傾向がありますので、合宿によってコミュニケーションを深めることで日々の仕事に活きてくると思います。
 今年は社内でやったんですけれども、昔はよく小田原でやっていました。一泊二日の泊りがけで集まって議論をしていましたね。弊社の場合は、東名阪で3拠点ありますので、東京でやると大阪や名古屋の人に負担だろうと、なるべく真ん中にしようという思いも込められていたわけです。
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※10 アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社、プリンシパル。グロービス経営大学院で教鞭を執っている。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパートの資格を持つ。
※11 各企業については下記を参照。
リクルート:江副浩正全巻
リッツ・カールトン:リッツ・カールトン全巻
ファーストリテイリング:柳井正全巻
※12 グロービスでは、クリティカルシンキング等の論理思考や、これを活用したビジネス・ファシリテーション、ビジネス・プレゼンテーションなどの考え方など領域を「思考系」と呼んでいる。
※13 日常生活から離れ、普段しないことをして、自分を見つめ直すなどの意味で使われる。
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