本田直之氏インタビュー
[更新日2010/03/31]
「無名の個人の時代 ~ビジネス書を読み、ビジネス書を書く~」第4回
聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎
レバレッジシリーズをはじめ、著書累計150万部を超えるベストセラー作家の本田直之氏。著者のプロデュースも行っており、合計40万部を突破している。本田氏は「無名の個人の時代(※1)」や「時代のうねり」をどう捉えているのか。本田流仕事術からライフスタイルまでお伺いしました。
■近い将来のライフスタイル
―本田さんは将来、どのような仕事やライフスタイルにしたいとお考えでしょうか。
僕は、もともと制約を受けることが嫌いで、まず服装の制約、そして場所の制約。毎日同じ場所に行かなければいけないとかすごい苦痛で・・・。あとは時間の制約。同じ時間に同じことをやらなければいけないとか。あと人の制約。相性合わない人と一緒に仕事をしたくないとか。最後にお金の制約。この制約をなくすためにどうすればいいかってやってきました。よくみんな勘違いするんですけど、お金の制約がなくなれば、自由になると思っている。お金をたくさん持っていても、時間の制約、場所の制約、人の制約、服装の制約があるのでは意味がない。お金がなくてもこれらの制約がないほうが人生充実するし、楽しいわけです。でもこれらの制約がなくなるっていうことはある程度自分で何かできる力をもっていないと、やっぱり誰かにコントロールされてしまう。
今の時代は、いろいろな制約を受けずに仕事がやりやすくなっていると思う。だから、すごく良い時代だなと思うのです。10年前にはできなかったと思う。まず、場所の制約がかなりあったじゃないですか。インターネットがない、つまり会社にいかないと仕事にならない。ということは、イコール時間の制約があって、同じ時間にみんなが集まっていないとコミュニケーションがとれない。昔は、携帯もないし。それこそ、スーツを着ていないと仕事していないのと同じみたいな時代だった。お金の制約で言うと、昔は企業に勤めていないと稼げなかった。事業をやろうと思っても、資金調達が簡単にできなかっただろうし。人の制約で言えば、人を抱えていないと作業も捗らなかった。今はパソコンで10人分くらいのことができてしまうわけですよ。人を雇う必要がなくなってきた。すごく良い時代ですよ。
―本田さんは人を雇っていないんですか。
青山のオフィスでは雇うつもりは一切ありません。秘書も雇うつもりはないですね。
―ハワイでも?
投資先に人がいれば良いわけですから。自分はそもそも、人の制約をなくすためにやっている。経営者を増やすなら話は別ですよ。自分で勝手に考えて、仕事をどんどん進めてくれる人がいるんだったら、それはそれでいい。だけど、そんな人はなかなかいないでしょう。
―服装で言うと、堀江さん(※10)もTシャツでやっていて、数年前だと目立っていたと思いますが、最近は、本田さんのようにスーツ以外の服装で仕事される人も増えてきたのではないかと思います。時代が変わったとも言えるのでしょうね。
確実に変わってきましたね。たまに経営者向けのセミナーで講演すると、Tシャツとジーンズで講演するのは失礼だと書く人もいますが、堀江氏の頃に比べれば、仕事はスーツでするものと考える人は少なくなったと思います。彼ががんばってくれたから(笑)。