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永田豊志氏インタビュー
[更新日2011/02/25]
「革命的フレームワーク『図解思考』 ~知的生産性を高め、人々に貢献する~」第4回
聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎
■革新的な教育の仕組みづくりがしたい
― 特に影響を受けた本やお薦めの本を教えていただけますでしょうか。
 本は好きでたくさん読むので、特にこの本に影響を受けたというものがないのですが、たまに読み返す本を3つ挙げたいと思います。
 1つ目は、ゴールドラット(*17)の『ザ・ゴール』です。私は理系の出身ですが、ビジネス上の課題を科学的に解決する手法があるとは思いもつかなかったので、それをやるというストーリーには、とても衝撃を受けました。その後のゴールドラットの著書を全部読みましたけれども、どれも非常に素晴らしいです。著者はもともと物理学者なのですが、そういう視点からビジネスを見ると違う風景が見えるんだろうなと思います。
 2つ目は『成功はゴミ箱の中に』という、マクドナルド創業者のレイ・クロック(*18)の自伝です。ユニクロの柳井(*19)さんが絶賛して、人生のバイブルにしているというのを知って、読んでみたんです。多少、冗長なストーリーではあるのですが、レイ・クロックが業務用マルチミキサーの販売会社をしていたときに、カルフォルニアで見つけたマクドナルド兄弟のハンバーガー屋さんを見てショックを受けて、営業権を譲ってくれと言ったくだりが、とてもドラマチックでした。それが無かったら今のマクドナルドは世の中に存在していなかったのかなと思うと、非常に感銘を受けました。今では当たり前のように食べているハンバーガーも、いろいろな苦難を乗り越えて、あの品質をあの価格で提供できるようになっていると考えると、とても勉強になります。
 3つ目は『奇跡のリンゴ』という、リンゴ農家の木村さんの話で、苦難を乗り越えるという点が2つ目の話と共有しています。先ほどお話した「逆アプローチ」の発想(第3回p2参照)に近いのですが、木村さんは「農薬無しでリンゴを作るのは不可能だ」と周囲の人全員に言われながらも、いや絶対できるはずだという信念を持って、やり続け、やり遂げたんです。やり遂げるまでの間は、相当大変でしたでしょうし、周りの家族も不安だったと思います。成功している人の自伝でよく共通しているのは、最初に周りが猛反対するということですよね(笑)。逆に言うと、周りが大賛成ということは極論すると誰でも考えつくアイデアだったりするので、周りが猛反対するようなことにこそ物凄く大きなビジネスチャンスがあるのかなと思います。もちろん成功の背景には、最後まで諦めないという不退転の決意が重要なのですが。
― 影響を受けた人物はどうでしょうか。
 人物に関しては、よくも悪くもスティーブ・ジョブズ(*20)です。彼が若い時からウォッチしていましたし、アップルを追放された時にも、コンピュータ雑誌の編集者として、ユーザーとしてずっと見てきました。人格的に好きかどうかということは置いたとして、同じ業界のビジネスパーソンとして、あれほど激しい人生を歩んだ人は稀だと思いますし、生み出した製品が世の中に与えたインパクトの大きさを考えると、なかなかジョブズを超える人はいないと思います。
― 最後に、会社としてでも個人としてでも、これからのビジョンや取り組んでいきたいことを教えてください。
 次作の原稿を少し書いていてそのテーマに近いんですが、日本の閉塞感をなんとかしたいなと感じています。短期的に効果が出るわけではないと思うんですが、教育の仕組みづくりが大きなテーマになると考えています。今の文科省のスタイルではなく、新しい革命的な教育の仕組みづくりができるんじゃないかと思っています。これはライフワークの1つのテーマでもありますね。こうするのがベストだという解はまだないのですが、会社の中では、朝会を英語にしてみたり、新しい事業アイデアのコンテストをやってみたりしています。結局、コンテストでは、新卒1期生で、入社4年目、26才の女性のアイデアが採用されて、新規事業準備室の責任者として事業計画を書いています。当社は小回りがきく組織ですし、若い人にチャンスを与えるための様々な試みができますので、ここで良いなと思うことを講演でも本でも何らかの形にして、また共有していきたいと思います。
― 大変お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
[撮影:大鶴剛志]
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*17 エリヤフ・ゴールドラットは、イスラエルの物理学者で、あるシステムの目的(ゴール)を継続的に最大化するための管理哲学である「制約理論」の提唱者。ビジネス小説のベストセラー作家でもある。詳しくは、下記を参照。
*18 マクドナルドをフランチャイズ化し、世界最大のファーストフードチェーンに育て上げた。
*19 柳井正については、下記を参照。
*20 スティーブ・ジョブズについては、下記を参照。
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