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永田豊志氏インタビュー
[更新日2011/02/18]
「革命的フレームワーク『図解思考』 ~知的生産性を高め、人々に貢献する~」第3回
聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎
■「組み合わせ」と「逆アプローチ」でアイデアを生み出す
― 新しい発想やアイデアは、なかなか簡単に生まれるものではないと思うのですが、新しいものが生まれるメカニズム、プロセス、要素等については、どのようにお考えでしょうか。
 よく「独創的」という言い方をすると思いますが、私自身は本当に今まで無かったアイデアが生まれるということはないと思っていて、ジェームス・ヤング(*10)の『アイデアのつくり方』に書かれているように、「基本的には異なるものの組み合わせで新しいアイデアは生まれる」と思っています。ですから、どのような組み合わせにするかということが問題になります。
 分析のためのビジネスフレームワークではマトリックスがよく使われますが、発想の組み合わせのためにこうしたマトリックスを使えば、もっと多くのアイデアが生まれるんじゃないかと思っています。
 従来の日本は、製造業を中心にした改善努力によって成長してきました。商品はすでにあって、少しでも安く、少しでも多機能にということを目指してきた世界でした。しかし最近では、日本が十八番だったそのような商売が、韓国とか中国とかに取られていますので、今後は製造業的な改善を目指すだけではなくて、全く違う枠組みを生み出すビジネスのやり方が求められると思います。新しい仕組みやプラットフォームというものは、必ずしも今あるものを改善するだけでは得られないと思います。
 革新的なアイデアを考えるために必要な要素として、私が今考えているものは2つあります。1つは先程お話した「異なるものの組み合わせ」です。例えば、自分の会社のサービスが上手くいっていない場合、打開策となるヒントを同じ業界から見つけようと思っても難しいと思います。それより全く違う業界の成功例を自分の事業にどう活かせるかという視点で考えた方が良いです。参考になる事例が日本になければ、アメリカを見てみるのも一つの手だと思いますし、先進国ではなく、新興国に目を向けても視野が開けると思います。どのような考え方に基づきどんなビジネスが存在しているのかということから、自分の商品やサービスを練り直してみることがポイントです。そういう異なる組み合わせから気付きが得られることが多いと思います。
 もう1つ、革新的なアイデアを出すために重要だなと思っていることは「逆アプローチ」という考え方です。課題から対応策を練るのではなくて、いっそのことその課題がなくて済むにはどうすれば良いか考えるとか、1から10というアプローチではなくて、10から1にいくためにどんなことができるかとか、逆からの発想です。
■革新的なアイデアは、既得権益を粉々にする
 素晴らしいアイデアは、ある意味、自己否定からスタートするものだと思います。アメリカの革新的なアイデアは、アップル(*11)にしても、グーグル(*12)にしてもそうだと思うんですが、既得権益を粉々にするところからスタートしているのかなと思うんです。私がITビジネスに携わっているので特にそう感じるのかもしれませんが、やはり既得権益を持った人たちから革新的なアイデアは生まれにくいです。もしそういった人たちが革新的なことをしようというのであれば、まず自分たちがこれまで築き上げてきたビジネスを壊してしまうかもしれないけれども、逆からユーザー視点で考えるというアプローチが必要になるのだと思います。
[撮影:大鶴剛志]
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*10 ジェームズ・W・ヤング(1986-1973)は、アメリカ最大の広告代理店J・ウォルター・トムプソン社の常任最高顧問をはじめ、広告業界の要職を歴任した人物。
*11 アップルについては、下記のアップル全巻を参照
*12 グーグルについては、下記のグーグル全巻を参照
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