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本田直之氏インタビュー
[更新日2010/03/24]
「無名の個人の時代 ~ビジネス書を読み、ビジネス書を書く~」第2回
聞き手 / PE&HR株式会社 代表取締役 山本亮二郎
■プロデューサーとしての横顔
―本田さんは、本業でもあるベンチャーの投資育成や作家の仕事のほか、作家のプロデューサー(※4)としてもご活躍ですが、どのように相手の才能やマーケットを理解して売り出していくのでしょうか。
 世の中の流れというか「うねり」にすごく敏感で、今何が求められているのかなということが常に頭の中にあるんです。プロデュースするときはどうやっているかというと、「君をプロデュースさせて」というアプローチは基本的にしていなくて、たまたまこうして話をしていて「あ、この人面白いな」と思ったら、とにかくその人の話を聞いていくんです。話を聞いているうちに「みんなが知りたがっているし、これを本にできないかな」というところがあれば、さらにインタビューをしていくことでもっと深掘りしていきます。その人がネタをたくさん持っていれば、それを僕が再現性のあるロジックに組み替えてあげて、本としての構成をつくって、出版社を選び、世に出していきます。
 僕が欲しいなって思っている情報は意外に一般の人に受け入れられやすいことが多いみたいです。幅広い人のニーズをなんとなく分かるということは、自分の一つの才能なのかなと思います。
 なので、なぜ本が売れるのかっていうと、みんなが欲しいものを、僕や他の誰かが持っているノウハウで提供するという観点で書いているからだと思います。みんなその視点がなくて、自分がこんなにすごいんだという風にやるから、結果つまらなくなってしまうのではないかと思います。
―本田さんが最初の本を出す前に、カリスマ編集者へのアピールに失敗したときのように(※5)。
 そうそう。そこがみんな見えていないことが多い。あと、自分のことだと「そんなことはみんな知っているでしょ」と思っていたりするから、価値があることかどうか気づいていないことがある。僕が最初に本を出した時もそうだったし、プロデュースしている人たちもみんなそうでしたが、「これが本になるの?」みたいな、そういうものが受けるのです。
―私は、ソニーの井深さん(※6)が経営者の中でも非常に好きで、いろいろな本を読むと、井深さんの何が優れているのかたくさん書かれているのですが、ウォークマンのように多くの人々が欲するものを直感的、天才的に分かるらしいんですね。みんなが求めているものが分かるというのはすごい才能ですよね。
 いろんな人に会っているからということも勿論あるかもしれないですね。
 こんなネタがあるので本を書きたいという人に限って良いものがないことが多いですね。どちらかというと本人は本を書こうと思っていなかったところから発掘したものの方が面白い。本にしようと思って形式的にまとめてしまうとうまくいかない。それっぽいものにはなるけど、面白みに欠けてしまうというか。初めから本をつくろうと思っているんだったら、自分でやった方が良いと思います。僕はみんなが求めているもので、まだ誰も気付いていない、本人ですら気付いていないものを本にした方が、意義もあるし、多くの人に役立つのではないかと思っています。
―ビジネス書をたくさん読んでビジネスで活躍して、その先にはビジネス書を書きたいという人がこのサイトを通じても出てきたら良いと思っているのですが、そういう人たちが本田さんに何か相談したいというのは、ちょっと違うわけですよね。
 そのためにこの本(『パーソナル・マーケティング』)を書いているという側面もあって、これを読んでもらえれば、その第一歩はできると思います。誰の役に立つのかということがとても重要な観点なのですが、それが抜けてしまっている人がすごく多いのです。ビジネスでも同じだと思うんですけど、こんなすごいテクノロジーを作った、でも誰も求めていないですというような話が起きてしまう。たまにはそういうものでも良いものも勿論あるんですけど、この本を読んでもらうのがもっとも良いと思います。個別のアドバイスはちょっと難しいかもしれませんね。
 そもそもプロデュースする方が、すごく手間が掛かるし、誰かの頭の中をまとめ直すことはものすごく大変な作業なんです。だから、たくさんインタビューするわけで、それこそ数時間で終わることじゃない。何日っていうレベルで時間をかけながら、その中で導き出していく。そもそもその人のことを良く知っていないとプロデュースは絶対できない。会ったばかりの人に「やってくれ」と言われてもすぐにはできない。今度、長谷川理恵さんの本をプロデュースするのですが、彼女のことをよく知らないわけじゃないですか。だから、いきなりはできない。相当何回も会っていく中で、良いものを見つけて、本に仕立てていくというスタイルになります。プロデューサーとして食べていこうとは思っていないので、このスタイルを貫いています。
※4 本田氏がプロデュースした書籍一覧へ
※5 『パーソナル・マーケティング』の冒頭に書かれているエピソード。その失敗をもとに「どうみんなの役に立つのか」という視点を加えたことで、ある編集者の目に止まり生まれた本が『レバレッジ・リーディング』であり、17万部を超えるベストセラーとなった。『レバレッジ・リーディング』では、多読の勧めとともに多くのビジネス書が推薦されている。
※6 ソニー創業者 井深大氏に関する著者は、下記リンクから一括で検索できます。
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