『スティーブ・ジョブズ 神の交渉力』 竹内一正/著 簡単に前言を翻し、相手を落とし入れ、義理などに微塵もとらわれず、相手の言い分は一切受け入れない… 本書は表面的にはスティーブ・ジョブズの、特に破天荒な交渉エピソードに主眼を置いた半生記である。具体的に交渉技術を解説したものではなく、従って読んでもすぐに交渉やプレゼンのレベルアップに役立つものではない。 しかしながら、ジョブスが交渉において神懸り的な力を発揮し、成功を掴み取ってきた力の源泉は何か?それは人々をあっと言わせたいという心からの欲求であり、それを実現するための圧倒的な執念であり、空間軸も時間軸も含めたビジョンのスケールの大きさである。 本書のエピソードからこれらを読み取るとき、能力やその発現としてのパフォーマンスにおける、想い、姿勢、ビジョンの重要性に気付かされる。 ビジネスパーソンとしての在り方を改めて考えさせられる一冊である。... 続きを読む