『ハンバーガーの教訓―消費者の欲求を考える意味』 原田 泳幸 著 Mac(マック)からMc(マック)へ」-華麗な転身で話題を集めた著者が、マクドナルドでの話を中心に、企業経営やビジネスパーソンにとっての人生、働くということについて語った本である。 最大の注目はやはり、7年連続で既存店売上高が前年割れとどん底であったマクドナルドを、どうやって7年連続の増収、全店売上高で過去最高を記録する(2010年)までに劇的に復活させたのかという点であろう。 その方法はいたってシンプル、基本に立ち返ること、具体的には店舗におけるQSC(品質、接客、清潔)の向上であった。一見表層的なスローガンにも受け取れるが、著者らの取り組みは全くちがう。 企業はコアに据える価値に基づく「らしさ」を体現することでこそ、競合と普遍的に差別化された強みを発揮することができるという考えの下、安易な新規事業・商品の開発や不採算店舗... 続きを読む