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「こういうわけで、お金は払えなくなりました。」1954年5月26日、藤澤は、頭を下げた。これは、本田宗一郎ではなく、藤澤の仕事だった。主力商品の原因不明トラブルによる出荷止めや大量返品、新製品の販売不振など、経営を圧迫する難事の続出により動揺を隠せない従業員たち向けて、本田宗一郎は驚愕の「宣言書」を従業員に発表する。「マン島TTレース出場宣言」。圧倒的な世界との差を、この苦難の時に縮め、追い越し、世界一になる、というこの「檄文」に込められた意味とはなんだったのか?本田宗一郎が下した「危機の決断」を解明していく。
序章 見えない時代;第1章 夢・マン島レースへの挑戦;第2章 二人の天才の出会い;第3章 世界一のホンダへ;終章 99%の失敗から見える明日;本田宗一郎年譜
倉本 久 (クラモト ヒサシ) 1973年埼玉県生まれ。法政大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーに。スポーツ・ノンフィクション、映像作品のノベライズなどの執筆を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)