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[要旨]
「技術では負けていない!」という思い込みを捨てよ。「品質」「機能」はもはや競争力にはならない。これからは人々の欲しがる「価値」を突き詰めろ!日本を代表する工学者が、日本の生きる道を国内外の産業の現場を見て議論して考えた。
オススメコメント
アベノミクス、円安などで一息ついたように見える日本経済。しかし実際はどうだろうか? 食料・エネルギーなど、海外に頼らなくてはいけない日本。そのためには外貨を稼ぐ産業の強さは日本の生命線であることは日本の変わらぬ条件。しかしグローバル競争が激化したここ20年、日本が競争でなかなか勝てないのはなぜなのか? 日本を代表する工学者で失敗学・創造学の権威として知られる著者は、長年日本の産業の現場を見続け、さらに10年は海外の現場にも足を運び、産業の激変を見てきた。その著者が感じた日本の行き詰まりの原因、それは「技術では世界でいちばんになった」という思い込みだった。そもそも日本は自分たちが思っているほど、技術が優れているのか? 傲慢の裏に隠れていた日本の弱点とは? 日本のいままで得意だと思ってきた品質・機能がもはや競争力にならなくなった時代、いま求められるのは、消費者の価値観を深く追求すること。そのために必要な技術とはなにか? 日本にあって他国にはない良さとはなにか? これからの日本の産業の方向性を考える渾身の論考!
第1部 日本の状況(エネルギーと食料
自然環境
人口と社会階層
産業構造の変化
産業が停滞するのはなぜか)
第2部 日本がこれから意識すること
第3部 日本の生きる道(市場のあるところでつくる
それぞれの社会が求めている商品を売る
日本の経験を売る
ものづくりと価値
決定的なのはトップ)
1941年生まれ。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学名誉教授。工学博士。専門は失敗学、創造的設計論、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。2001年より畑村創造工学研究所を主宰。02年にNPO法人「失敗学会」、07年に「危険学プロジェクト」を立ち上げる。日本航空安全アドバイザリーグループ委員、JR西日本安全有識者会議委員、国土交通省リコールの原因調査・分析検討委員会委員長、11年6月より東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)