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安定した収入、伴侶と家族、健康、老後のたくわえ―。この既存の幸福像は、いまや瓦礫と化した。神仏はおろか、現代社会の宗教とも言える科学への不信も極まり、寄る辺ない私たちの孤立はさらに深まっている。この憂鬱な時代のただ中で、私たちが真の意味で生まれ変わり、新たな「幸せの感情」に浸ることなど、果たして可能なのだろうか?その問いを解く鍵は、夏目漱石の一〇〇年前の予言にこそある。大ベストセラー『悩む力』刊行から四年の時を経て、待望の続編がついに登場。
序章 「幸福論」の終わり
第1章 漱石とウェーバーに何を学ぶか
第2章 どうしてこんなに孤独なのか
第3章 漱石が描いた五つの「悩みのタネ」とは
第4章 漱石の予言は当たったか
第5章 ホンモノはどこにあるか
第6章 私たちはやり直せるか
第7章 神は妄想であるか
第8章 生きる根拠を見いだせるか
終章 それが最後の一日でも、幸せは必ずつかみ取れる
1950年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)