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1986年、入省二年目の私はイギリスにいた。語学研修に追われる単調な日々の小さな楽しみは、ステイ先で出会った12歳のグレンとの語らいだった。ロンドン書店巡り、フィッシュ&チップス初体験。小さな冒険を重ね、恋の痛みや将来への不安を語りあった私たちは、ある協定を結んだ…。聡明な少年を苛む英国階級社会の孤独と、若き外交官の職業倫理獲得までの過程を描く告解の記。
モスクワのテーブルマナー
フレミングス・ホテル
ステーキ・アンド・キドニー・パイ
ジェシー
フィッシュ・アンド・チップス
チャイナタウン
フォイルズ
コレッツ
スコッチ
郊外電車
ヨークシャ・プディング
家族
プール
オフィサーズ・メス
戦場のメリークリスマス
フカヒレスープ
北京ダックの飼育法
忠告
運び屋
グレン
1960(昭和35)年生れ。’85年、同志社大学大学院神学研究科修了の後、外務省入省。在英日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館などを経て、’95(平成7)年から外務本省国際情報局分析第一課に勤務。2002年5月、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。’05年2月執行猶予付き有罪判決を受けた。同年『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』で毎日出版文化賞特別賞を受賞した。主な著書に『自壊する帝国』(新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)