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一九五〇年、朝鮮戦争が始まった年にわたしは生まれた。なぜ父母の国は分断されたのか。なぜ自分たちは「みすぼらしい」のか。「在日」と「祖国」、ふたつの問題を内奥に抱えながら青年期を迎えたわたしは、日本名「永野鉄男」を捨て「姜尚中」を名乗る決意をした。在日二世として生きてきた半生を振り返り、歴史が強いた苛酷な人生を歩んだ在日一世への想いを綴った初の自伝。文庫化にあたり大幅に加筆。
第1章 朝鮮戦争のときに生まれて;第2章 「在日」一世の軌跡―ふたりのおじさんの人生;第3章 「尚中」が「鉄男」を捨てた夏;第4章 故郷と異郷のはざまで;第5章 父の死と天皇の死と;第6章 時代に押されるように;第7章 時代の飛沫をあびて;第8章 恩讐を抱きしめて
姜 尚中 (カン サンジュン)
1950年熊本県熊本市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。ドイツ、エアランゲン大学留学後、国際基督教大学准教授などを経て、東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学、政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)