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経済格差、幇助自殺、アファーマティブ・アクション、妊娠中絶など。容易に答えの出せないこれらの問題を考えるために、私たちの社会はどのような思想的基盤を必要とするのか?個人の権利と選択の自由のみを絶対視して、政治は道徳に対して中立であるべきなのか?ハーバード大学の人気講義で話題のM・サンデル教授は、本書で多様な問題を論じつつその思想的背景を分析し、今日の多元的な世界における公共の正義は、コミュニティがもつ「善」と道徳によっても支えられるべきであると説く。
第1部 アメリカの市民生活(アメリカにおける公共哲学の探求;個人主義を超えて―民主党とコミュニティ;手軽な美徳の政治 ほか);第2部 道徳と政治の議論(州営宝くじに反対する;教室でのコマーシャル;公共領域をブランド化する ほか);第3部 リベラリズム、多元主義、コミュニティ(道徳性とリベラルの理想;手続き的共和国と負荷なき自己;成員資格としての正義 ほか)
サンデル,マイケル (サンデル,マイケル) Sandel,Michael J.
1953年、合衆国ミネアポリス生まれ。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。現在、ハーバード大学教授。専門は政治哲学。ハーバード大学の担当学部科目「Justice(正義)」が、履修者数14,000人を超す人気講座となる。この講座は、同大建学以来初めて一般公開されて、テレビでも放送された。この番組は2010年、日本でもNHK教育テレビ『ハーバード白熱教室』として放送され、社会現象を巻き起こした
鬼澤 忍 (オニザワ シノブ)
翻訳家。1963年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)