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鑑定医が秘密をバラす相手を間違えた奈良少年調書漏洩事件。「空想虚言癖」の典型的パターンに引っかかった「週刊新潮」大誤報。賠償額が高騰する名誉毀損訴訟。数々の事件で、メディアが一線を越えるか踏みとどまるかの分かれ目は、秘密の手に入れ方・バラし方、ウソの見破り方の巧拙にある。それを「言論弾圧」「取材力の低下」としか語れないのは、ただの思考停止、メディアの自殺行為だ―秘密とウソというユニークな視点から、「ジャーナリズムの危機」に斬り込む挑発の書。
第1章 「正義」のイヤらしさ
第2章 他人の秘密は蜜の味
第3章 スクープかフェアネスか
第4章 奈良少年調書漏洩事件
第5章 「週刊新潮」大誤報事件
第6章 この世はウソの地雷原
第7章 足利事件―誰が捏造したのか
第8章 名誉毀損―高騰して何が悪い
第9章 リスクとチャレンジと謝罪
第10章 有料ジャーナリズムの終焉?
日垣 隆 (ヒガキ タカシ)
1958年、長野県生まれ。作家・ジャーナリスト。新聞・雑誌・書籍のほか、ラジオ番組のホスト、海外取材等、多方面で活躍。『そして殺人者は野に放たれる』(新潮文庫、新潮ドキュメント賞受賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)