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長野県の狭い地域で、相次いで起こったリンチ殺人。弟を守るため、ろくに顔も知らぬ少年八人になぶり殺された宮田君。三カ所を連れ回されながら十五人の暴行をうけ絶命した百瀬君の遺体には、小便がかけられていた。残忍な犯行事実は少年法の聖域に消え、さらに子の罪を認めぬ親の言動に、遺族は際限なく苦しむ。少年犯罪の理不尽を告発する慟哭のノンフィクション、増補改訂版。
第1部 少年リンチ殺人「ムカつくから、やっただけ」(父よ母よ息子よ;隠された現場;この世の修羅;逃走と死と;親である罪;終りなき喪;知られざるまま)
第2部 また少年が殺された―続発するリンチ殺人(子の無念;連鎖する暴力;一万円の命;軌跡の果て;無間地獄;暴発の理由;悪夢の断片;無知という罪;うちの子に限って;更正のために)
日垣 隆 (ヒガキ タカシ)
1958(昭和33)年、長野県生れ。東北大学法学部卒業。「『買ってはいけない』はインチキ本だ」(文春文庫『それは違う!』所収)で文藝春秋読者賞、「辛口評論家の正体」(文藝春秋『偽善系2』所収)で編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞・作品賞、『そして殺人者は野に放たれる』で新潮ドキュメント賞を受賞。メールマガジン「ガッキィファイター」ほか、ラジオ、テレビでも旺盛な活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)