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投稿生活をへて作家・ジャーナリストとなった著者のみならず、物書きにとってお金の問題は避けて通ることのできない重大事だ。本邦初の“フリーエージェント宣言”をなし遂げた文豪・夏目漱石、公務員初任給の一〇〇倍は稼いでいた「火宅の人」檀一雄、「底ぬけビンボー暮らし」に明け暮れた作家・松下竜一…。明治の文士から平成のフリーライターまで、物書きたちはカネと自由を求めて苦闘してきた。本書ではそうした姿を、出版界の“秘部”とも言いうる「原稿料事情」を通じて描き出す。類例なき作家論にして日本文化論である。
序章 私的売文生活入門
第1章 原稿料とは何か
第2章 幸せな黄金時代
第3章 標準としての夏目漱石
第4章 トップランナーたちの憂鬱
第5章 貧乏自慢もほどほどに
第6章 現代日本の原稿料事情
終章 お金も自由も
日垣 隆 (ヒガキ タカシ)
3度の瀕死体験と失業3回を経て1987年より取材・文筆活動に。1958年7月生まれ。「『買ってはいけない』はインチキ本だ」(『それは違う!』文春文庫)で文芸春秋読者賞、「辛口評論家の正体」(『偽善系2』文芸春秋)で編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞・作品賞、『そして殺人者は野に放たれる』(新潮社)で新潮ドキュメント賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)