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出版社・メーカーからのコメント
市民的公共性の自由主義的モデルの成立と社会福祉国家におけるその変貌をカント、ヘーゲル、マルクスにおける公共性論を援用しながら論じる。第2版には批判への応答を含む。いまや古典的な名著。
第1章 序論―市民的公共性の一類型の序論的区画(出発点の問い;代表的具現の公共性の類型について;市民的公共性の成立史によせて)
第2章 公共性の社会的構造(基本構図;公共性の制度〈施設〉;市民的家族 公衆に関わる私生活の制度化;文芸的公共性と政治的公共性との関係)
第3章 公共性の政治的機能(モデルケースとしてのイギリスにおける発展;大陸における諸変型;私的自律の圏としての市民社会 私法と自由化された市場;市民的法治国家における公共性の矛盾をはらんだ制度化)
第4章 市民的公共性―イデーとイデオロギー(公論 論点の前史;政治と道徳の媒介原理としての公開性―カント;公共性の弁証法によせて―ヘーゲルとマルクス;自由主義理論にあらわれた公共性の両価的把握―ジョン・ステュアート・ミルとアレクシス・ド・トックヴィル)
第5章 公共性の社会的構造変化(公共圏と私的領域との交錯傾向;社会圏と親密圏の両極分解;文化を論議する公衆から文化を消費する公衆へ;基本図式の消滅 市民的公共性の崩壊の発展経路)
第6章 公共性の政治的機能変化(民間文筆家たちのジャーナリズムからマス・メディアの公共サーヴィスへ―公共性の機能としての広告;公開性の原理の機能変化;造成された公共性と非公共的意見―住民の選挙行動;自由主義的法治国家から福祉国家への変形過程における政治的公共性)
第7章 公論の概念のために(国家法的擬制としての公論 この概念の社会心理学的解析;問題解明の社会学的な試み)
ハーバーマス,ユルゲン (ハーバーマス,ユルゲン) Habermas,J¨urgen
1929年ドイツのデュッセルドルフ生まれ。ゲッティンゲン、チューリヒ、ボンの各大学でドイツ文学、心理学、社会学、哲学を修め、56年フランクフルト社会研究所のアドルノの助手となり、フランクフルト学派第二世代としての歩みを始める。61年『公共性の構造転換』で教授資格を取得し、ハイデルベルク大学教授となる。64年フランクフルト大学教授、71年マックス・プランク研究所所長を歴任、82年以降はフランクフルト大学に戻り、ホルクハイマー記念講座教授を務め、94年退官。60年代末のガダマーらとの解釈学論争、ルーマンとの社会システム論争、さらに『コミュニケーション的行為の理論』(81)をはじめとする精力的な仕事、86年の歴史家論争以降の多方面にわたる社会的・政治的発言を通じて、ドイツ思想界をリードし、国際的にも大きな影響を与えてきた。81年を皮切りに再三来日し、各地で講演やシンポジウムを行っており、また2004年11月には「京都賞」受賞のため日本を訪れている