|
|
||||||||||||||||
この書籍が含まれるグループ
|
失政を重ね帝国に混乱をもたらしたネロが自死した翌年(紀元69年)、ローマには三人の皇帝が現れては消えた。ガルバ、オトー、そしてヴィテリウス。初代皇帝アウグストゥスの血統ではない彼らに帝国の命運が託されたが、傲岸、生硬、怠惰という各人の性格に由来する統治力のなさが露呈、いずれも短期間で破滅した。さらにその間、軍団同士が争う内戦状態に突入し、帝政始まって以来の危機的状況に陥る。果たしてローマ人はこれをいかに乗り越えたのか。
第1章 皇帝ガルバ(在位、紀元六八年六月十八日‐六九年一月十五日)(ネロの死が、ローマ人に突きつけた問題;人心掌握の策;協力者人事;ヴィテリウス、皇帝に名乗りをあげる;ガルバ殺害);第2章 皇帝オトー(在位、紀元六九年一月十五日‐四月十五日)(人間オトー;「ライン軍団」対「ドナウ軍団」;武力衝突に向けて;大河ポー;「第一次ベドリアクム戦」;オトー自死);第3章 皇帝ヴィテリウス(在位、紀元六九年四月十六日‐十二月二十日)(敗者の処遇;シリア総督ムキアヌス;エジプト長官アレクサンドロス ほか)
塩野 七生 (シオノ ナナミ)
1937年7月7日、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくむ。93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)