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ついにローマ帝国はキリスト教に呑み込まれる。四世紀末、ローマの針路を大きく変えたのは皇帝ではなく一人の司教であった。帝国衰亡を決定的にしたキリスト教の国教化、その真相に迫る。
第1部 皇帝コンスタンティウス(在位、紀元三三七年‐三六一年)(邪魔者は殺せ;帝国三分;一人退場 ほか);第2部 皇帝ユリアヌス(在位、紀元三六一年‐三六三年)(古代のオリエント;ササン朝ペルシア;ユリアヌス、起つ ほか);第3部 司教アンブロシウス(在位、紀元三七四年‐三九七年)(蛮族出身の皇帝;フン族登場;ハドリアノポリスでの大敗 ほか)
塩野 七生 (シオノ ナナミ)
1937年7月、東京に生れる。学習院大学文学部哲学科卒業後、63年から68年にかけて、イタリアに遊びつつ学んだ。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくみ、一年に一作のペースで執筆中。『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)