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世界同時不況下の日本。東京では若者による通り魔事件が頻発しだした。フリーターの金子将太は渋谷で通り魔から若い女性を助けるが、二人の再会は叶わなかった。警察庁参事官の兄・健が奔走する中、犯行は財界人テロへとエスカレート。背後には、絶望した若者を糾合する新宗教政党の動きがあった。渋谷事件で将太が出会った清楚な中国人女性が担うことになる役目とは、職にあぶれ来日した米国人と中国人の任務とは?そしてついに国家存亡の危機が…。
雇用危機の日本、未来図を描けぬ若者たちを操る新宗教と政党。憂国の情を込めて描き出す経済パニック小説。
江上 剛 (エガミ ゴウ)
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、第一勧業(現みずほ)銀行入行。97年の第一勧銀総会屋事件では混乱収拾に尽力し、コンプライアンス体制構築に大きな役割を果たす。事件を材にした映画「金融腐蝕列島呪縛」(高杉良原作)のモデルにもなった。築地支店長在任中の02年、『非情銀行』で作家デビュー。翌年に退行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)