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「銀行が嫌いだから、金融庁に入った」。まじめで、公正。最も信頼される金融庁検査官、松崎哲夫。ある日、大合併による綻びが噂される大東五輪銀行の怪文書が届く。哲夫に下った、そのメガバンクへの査察命令。しかもそこは弟が勤める銀行で―。巨大化した組織の闇。金融庁VS.銀行。企業統治の心はどちらに。
金融庁、銀行、検査官。これがすべての真実借金が元で父が自殺した過去を持つ金融庁統括検査官、松嶋哲夫。淡々と仕事をこなす哲夫の元に大東五輪銀行への検査要請が下った。そこには弟が勤務していて
江上 剛 (エガミ ゴウ)
1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)に入行。人事部、広報部や各支店長を歴任。銀行業務の傍ら、2002年には『非情銀行』(新潮文庫)で作家デビュー。その後、2003年に銀行を辞め、執筆に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)