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「僕は君に信頼を置いているからね。うまくやってくれ」頭取の言葉に、行員天野の体は熱くなった。かつてのトップが愛人絡みで行った7億円もの不正融資が、いまメガバンクを脅かしつつあった。一時は系列ノンバンクに飛ばしてしのいだ問題が、貸金業法改正の動きとともに再浮上してきたのだ。事態打開のため奔走する天野。闇社会の介入、そして起こる惨劇。家庭さえ崩壊させながら悪戦苦闘した果ての報いとは?仕え続けてきた者たちに対し、天野は自己回復の闘いに打って出た。
職務に忠実に励むうちに闇に堕ちてしまう。誰もが陥りかねない真昼の闇だ。ビジネスマン読者の溜飲が下がる自己回復の物語。
江上 剛 (エガミ ゴウ)
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、第一勧業(現みずほ)銀行入行。97年の第一勧銀総会屋事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力。その後のコンプライアンス体制に大きな役割を果たし、事件を材にした映画「金融腐蝕列島呪縛」(高杉良原作、役所広司主演)のモデルにもなった。2002年、築地支店長を務めるかたわら『非情銀行』で作家デビュー。03年に退行後は旺盛な執筆力で、『失格社員』『大罪』『腐蝕の王国』『円満退社』などヒット作を生み続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)