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メガバンクの頭取・藤山には誰にも言えない秘密があった。かつて部長時代に関係した女子行員・裕子。そして後始末にあたったのが左遷寸前の部下・西前だった。以来、ふたりは「鉄の主従関係」で激烈な権力闘争を勝ち抜いていくのだが―輝かしいはずの「あのころの未来」がこんな混迷だったとは―。
頭取と専務に登りつめた藤山と西前。しかしバブル期に行なった無軌道な融資で不良債権の山が。これを隠蔽するために藤山が取った策略は合併に次ぐ合併だった。一方、藤山の不義の娘は成長し、やがて藤山と接点が…。
江上 剛 (エガミ ゴウ)
1954年1月、兵庫生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、旧第一勧業(現みずほ)銀行入社。梅田支店勤務を皮切りに、本部企画、人事関係、高田馬場・築地各支店長などを歴任。97年には第一勧銀総会屋事件での混乱収拾に尽力し、この事件を元にした映画『金融腐蝕列島 呪縛』のモデルとなる。在職中の02年『非情銀行』で作家デビュー。03年3月に銀行を退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)