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市場経済はいかにして驚異的な経済成長を可能にするのか。そうして社会が豊かになっても貧富の格差が拡大するのはなぜだろうか。また、資本主義が不可避的にバブルや不況を繰り返す原因はどこにあるのか―。スミス、マルクスから、ケインズ、ハイエクを経てセンまで、本書は厳選された30冊の核心を明快に解きほぐすブックガイドである。それぞれの時代の経済問題に真っ直ぐ対峙することで生まれた古典は、私たちが直面する現下の危機を考えるうえで豊穣な知見に満ちていよう。
1 (ロック『統治論』―私的所有権がもたらす自由とその限界;ヒューム『経済論集』―奢侈と技術が文明社会を築く;スミス『道徳感情論』―共和主義と商業主義をつなぐ「同感」 ほか);2 (マルクス『資本論』―貨幣と労働の神話を解く;ワルラス『純粋経済学要論』―一般均衡理論が実現する社会主義;ヴェブレン『有閑階級の理論』―大企業と見せびらかしが生み出す野蛮な文明 ほか);3 (バーリ=ミーンズ『近代株式会社と私有財産』―株式会社は誰のものか;ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』―貨幣経済を動かす確信と不安;ポラニー『大転換』―経済自由化は「悪魔の挽き臼」だ! ほか)
松原 隆一郎 (マツバラ リュウイチロウ)
1956年神戸市生まれ。東京大学工学部卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は社会経済学・相関社会科学。社会科学と俗世に関する該博な知識を駆使して論壇でも活躍、アカデミズムとの相互乗り入れを図る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)