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空気が大金に化ける。これが「排出権ビジネス」の実態だ! 温室効果ガス削減か、排出権の購入か。温暖化防止の美名の下で生まれた、まったく新しい国際ビジネス。利権に群がるしたたかな商人たちの、ターゲットは日本──。 世界11ヵ国に及ぶ徹底した取材で描く、緊迫のリアルフィクション! 排出権(カーボンクレジット)。それは温室効果ガスを「排出する権利」。京都会議で、実現不可能な排出削減目標を負った日本は、莫大な金額で外国から「排出権」を買わなくてはならない。国民負担は、5年間で1兆円──。 新日本エンジニアリングの松川冴子は、地球環境室長として排出権ビジネスの開拓を命じられる。巨大排出権市場・中国を奔走する冴子が、見たものはなにか。
データなし
黒木 亮 (クロキ リョウ)
1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。銀行、証券会社、総合商社勤務を経て作家。2000年、国際協調融資を描いた『トップ・レフト』でデビュー。中学時代から長距離ランナーとして活躍し、大学時代は箱根駅伝に2度出場、20kmで道路北海道記録を塗り替えた。その体験は自伝的長編『冬の喝采』にほぼノンフィクションの形で綴られている。英国在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)