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月刊「PLAYBOY」誌上に長期連載。沖縄の戦後六十余年を作ってきた群雄たちを活写して、戦後日本を逆照射する衝撃の大型ルポルタージュ。沖縄列島を一個の肉体と見立て、その肉体が戦後に演じ、あるいは演じさせられた悲劇と喜劇、まばゆい光と濃厚な影があやなす南島奇譚ともいうべきドキュメントである。
日本の中で唯一戦場になった沖縄は、45年~72年に日本に返還されるまで27年間アメリカの統治下にあり、今も米軍専用基地の75%が集中する。今日の沖縄の歴史を作ってきた人物を様々な観点からクローズアップ、沖縄の歴史を辿る。そこから見えてくるのは、青い空、青い海、美しい珊瑚礁の背景に隠れた戦後の沖縄、戦後の日米関係、そして日本の姿である。 戦果アギヤー(米軍基地の物資を盗む泥棒)、密貿易、空手の達人、沖縄ヤクザの誕生と抗争、裏社会表社会を牛耳るドン、テロリスト、親分を撃ち殺したヒットマンの人生、財界の四天王、軍用地主のドン、米軍をスパイするソープランド、沖縄を作ってきた女たち、謎の死を遂げたエリート弁護士、芸能の島の歴史、闇金融と模合(もあい)など、これまで本土では殆ど語られてこなかった沖縄の姿を、ノンフィクション界の第一人者が、あしかけ6年にわたる沖縄取材を経て放つ、本格ノンフィクション。
1 天皇・米軍・沖縄県警(「お約束」の島から「物語」の島へ;歴史に翻弄された沖縄県警 ほか);2 沖縄アンダーグラウンド(花街・映画・沖縄空手;沖縄ヤクザのルーツ「戦果アギヤー」 ほか);3 沖縄の怪人・猛女・パワーエリート(弾圧・拷問・右翼テロ;第三の新聞・沖縄時報顛末記 ほか);4 踊る琉球、歌う沖縄(島唄復活と大阪ウチナンチュー;沖縄ミュージックは日本に届くか ほか);5 今日の沖縄・明日の沖縄(少女暴行事件の傷跡;美ら島の陰に)
佐野 眞一 (サノ シンイチ)
1947(昭和22)年東京生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。97(平成9)年、『旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三』で、第二十八回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)