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彼女は私に会釈して、「セックスしませんか。一回五千円です」といってきました―。古ぼけたアパートの一室で絞殺された娼婦、その昼の顔はエリートOLだった。なぜ彼女は夜の街に立ったのか、逮捕されたネパール人は果たして真犯人なのか、そして事件が炙り出した人間存在の底無き闇とは…。衝撃の事件発生から劇的な無罪判決までを追った、事件ノンフィクションの金字塔。
第1部 堕落への道(迷宮;幻聴 ほか);第2部 ネパール横断(山嶺;公判 ほか);第3部 法廷の闇(目撃;実検 ほか);第4部 黒いヒロイン(求刑;結審 ほか)
佐野 真一 (サノ シンイチ)
1947(昭和22)年東京生れ。出版社勤務を経てノンフィクション作家に。主著に、民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』(大宅賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)