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「市場ほど暴力的なものはない。私は、世界市場に民主的な殺戮システムをみている…」経済、思想、人倫の底が抜けたいま、私たちはどこに光明を見いだしうるのか。ひとの恥とはなにか。ひとの“形骸”とはなにか。病を抱えた作家が死に身で書きぬいた「遺書」と見紛う自己内問答。生と死、そして現世と自身への「有罪宣告」。人間と時代の病理を剔抉する透徹した眼。
第1章 死、記憶、恥辱の彼方へ(記憶を失うこと;自己身体として生きる;死の実感と制度の殺人 ほか);第2章 狂想モノローグ「かさねてきた徒労のかずをかぞえるな」;第3章 人の座標はどのように変わったか(風景の耐えられない軽さ;万物商品化と物語の喪失;自死の衝迫と反テロ戦争 ほか);第4章 視えない風景のなかへ(「言葉と言葉の間に屍がある」―沼沢均を偲ぶ会へのメッセージ;『自動起床装置』の想い出;戦後六十年と新たな戦前 ほか);第5章 自分自身への審問
辺見 庸 (ヘンミ ヨウ)
作家。1944年、宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)