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人間がいかに利己的であろうとも―著者はこう書きおこして、近代社会において、自由で平等な利己的個人の平和的共存が、権力の介入なしにどのように可能か、を追求する。一八世紀イギリスの経済学者アダム・スミスの、『国富論』と並ぶ代表的著作。
第1部 行為の適宜性について(同感について;われわれが他の人びとの諸情念と諸意向を、かれらの諸目的にとって適合的なものとして、あるいは適合的でないものとして、是認または否認するさいの、感情について;適宜性と両立しうる、さまざまな情念の程度について ほか)
第2部 値うちと欠陥について、あるいは報償と処罰の対象について(値うちと欠陥の感覚について;正義と慈恵について;諸行為の値うちまたは欠陥にかんして、人類の諸感情に偶然性があたえる影響について)
第3部 われわれ自身の諸感情と行動にかんする、われわれの判断の基礎について、および義務の感覚について(称賛または非難される値うちがあるという意識について;われわれ自身の判断は、どのようなやり方で他の人びとの判断であるべきものに依拠するか、および、一般的諸規則の起源について;良俗の一般的諸規則の影響と権威について、および、それらは最高存在の諸法とみなされるのが正しいということについて ほか)
スミス,アダム (スミス,アダム) Smith,Adam
1723~1790。イギリスの経済学者。古典派経済学の祖。スコットランドの港町カーコルディに生まれる。グラスゴー大学に学び、道徳哲学者F・ハチソンの影響を受けた。さらにオックスフォード大学のベリオル・カレッジに学んだが、中退。1751年グラスゴー大学の倫理学の教授に就き、翌年道徳哲学の教授に転ずる。59年『道徳感情論』を刊行。76年には政治経済学最初の体系『国富論』を公刊、87年にはグラスゴー大学総長に選任された