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前作『嘘つき大統領のデタラメ経済』から1年。やはりイラクで大量破壊兵器は発見されなかった。しかも、国内のテロ対策はいまだ不十分で、アフガンではタリバンが息を吹きかえし、イラク戦争も泥沼と化している。結局、テロとの戦いという大義は、嘘っぱち以外の何物でもなかったのだ。一方、歴史的に類を見ない戦時下の減税、しかも巨額の財政赤字を抱えての減税は着々と実施されており、その根拠と実施方法は虚偽の統計数字とデタラメなレトリックにカモフラージュされている。そしてスキャンダルまみれのブッシュ政権は脅迫や情報操作を用いて批判者を追い落とすことに必死だ。しかし、それはこの国が長年培ってきた民主主義を脅かす暴挙に他ならないのだ。世界中が注目するクルーグマン教授が、ブッシュの政策の何が間違いなのか、そしてそこに潜む真意とは何なのか、経済学的分析と類稀な洞察で鋭く指摘する。人気のNYタイムズコラム集、第2弾。
第1章 戦争とテロ(ジョージ・W・クイーグ;赤い州、青い州へのテロ対策費;勝利と黙殺;嘘ではない強調しただけ ほか);第2章 減税と社会福祉(選ばれることのない政策;当然の指摘;トロイの木馬;アメリカの「にわか景気」 ほか);第3章 権力の濫用(馬上の男;チャイナ・シンドローム;一党支配に向かって;惨劇を利用する ほか)
クルーグマン,ポール (クルーグマン,ポール) Krugman,Paul
1953年ニューヨーク州生まれ。イェール大学助教授、マサチューセッツ工科大学教授、スタンフォード大学教授を経て、プリンストン大学教授。大統領経済諮問委員会の上級エコノミスト、世界銀行やEC委員会の経済コンサルタントを歴任。40歳以下の最も優れた経済学者に贈られるジョン・ベイツ・クラーク賞も受賞し、将来のノーベル賞候補と目されている
三上 義一 (ミカミ ヨシカズ)
上智大学卒、筑波大学大学院修了(国際関係論)。米『タイム』誌、ロイター通信社などに勤務し、世界中を取材。アウン・サン・スーチーやジョージ・ソロスを日本で初めて本格的に紹介する。90年から2年間コロンビア大学特別研究員
竹熊 誠 (タケクマ マコト)
青山学院大学英米文学科や米アプサラ大学で学び、70年にカナダ・トロント大学を卒業(経済学専攻)。帰国後、共同通信社を経て、日本経済新聞社に入社。ウィーン・ワルシャワ特派員、日経国際ニュースセンター・ニューヨーク支局長などを歴任。フリーランスの翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)